パパと娘のほんわか毎日【黄】

お父さん ページ39

るぅとside

ガチャ、という鍵の音がしてAが学校から帰ってきた。


る「A、おかえり！」


「ただいま、おとー、さん」


え、お父さん！？

今、Aが僕のことをお父さんって呼んだ。
いや、確かに僕はAの父親だからおかしくないけど……いきなり、お父さんって……。
パパじゃなくて、お父さん！？

なんで急にお父さんって、呼ぶようになったんだろう。
うーん。なんだか呼んでいる、じゃない。
無理やり呼ばされているような感じがする。


る「おやつ、食べる？」


「うん」


る「今日学校どうだった？」


でも……あんまり、触れないでおいた方がいいかな。
とかいっても、やっぱり気になるな。

大好きないちごチョコクリームが入ったパイも、いつもなら喜ぶのに……。


る「なんかあったら、遠慮しないでなんでも言ってね」


「お……パパ」


また、お父さんって呼ぼうとしたみたいだけど、Aはパパ呼びに戻った。しかも深く俯いて。


「あのね。今日、ちがうクラスの子たちがね、『パパママってよぶのは、赤ちゃんだよね』って」


る「もしかして、Aが言われたの？」


「わたしがいわれたわけじゃないけど、そう話してるのが聞こえた」


る「気にしなくていいよ」


僕は、Aの頭をわしゃわしゃと撫でる。


る「パパでもお父さんでも、好きな呼び方をしてほしいな。だって、パパとAは親子だもん。気にしなくていいことをわざわざ気にしちゃうっていうのは、嫌でしょ？」


A、パパ呼びがいいよね？


「A、パパのことパパって呼んだままでいいの？」


る「もちろん」


あわよくば、ずっとパパ呼びでもいいんだけどね……。


「よかった！ じゃあ、A、パパって呼ぶ！」


やっぱり、パパ呼びの方がAらしいよ。




_____
このお話は、パパママ呼びの高2が書いたものです。
もう一度言います、パパママ呼びの高2が書いたものです。
関係ない話すると、作者の母も父(作者の祖父)のことをパパ呼びしていたようです。

一度、中1の頃に母のことを『お母さん』って呼んだことあるんですけど、『ずっとママでいいよ』って言われたんでおそらくこれからも抜け出せません。

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