第四十六話ｰ主人公過去ｰ ページ48
｢せ、先輩…｣
｢なに？｣
｢あ、あの…すき、です…｣
｢俺もお前の事好きだよ｣
｢えっ…｣
あれから数ヶ月後、私は先輩に告白をした。
振られると思っていたのにまさかのOKを貰えて私は嬉しくなってしまった
｢付き合ってくれるんですか…？｣
｢あぁ、幸せにするから｣
そこからしばらくの間すごく幸せだった
友達が全く居なくて、家族からも無視されていた私に恋人ができるだなんて思いもしなかった
先輩は受験があったからあまり遊べなかったけど、
それでも、一緒に手を繋いで歩いて帰ったり、たまの休みの日はお出かけしたり、ゲームを一緒にやったりしてとにかく楽しかった
｢先輩…｣
｢A…｣
もちろん、そう言う行為もした
中学生で私は大人の階段を大きく飛び越えたのだった
苦痛だったけど、先輩の為を思って我慢していた
楽しい時間はあっという間で、先輩は卒業し暫く離れ離れになってしまった
地元の高校を選んだらしいけど、それでも他の地区から入ってくる子も沢山いる。私はそれなりに不安を抱えていた
｢大丈夫だよ、毎日電話するから心配すんな｣
｢でも…｣
｢俺はAが1番だから｣
なんて先輩は言ってたけど、そんな口約束は形だけに過ぎなかった
それは、2年後。
私も高校生になり、先輩と同じ高校に入学したあとの話
仲良くなったクラスメイトの子から聞いた話だった
｢ねーねー！宮田先輩の彼女って凄い美人だよね！｣
｢え、宮田先輩って…｣
｢3年のさ！北中出身の！ほらA同じ学校だから知ってるんじゃないの？｣
｢か、彼女って…どういう｣
｢あれ、A知らないの？有名なのに｣
｢え…？｣
｢2年生の頃からずーっと付き合っている同じ陸上部の美人な彼女がいるって話！｣
私の時間が止まった
友人の言っていることがなにも理解できなくて、理解するのに時間がかかる
気付いたら、私は先輩にLINEを何件も何件も送った
全然既読にならなくて、イライラする
既読になったかと思ったら
｢ごめん｣
それしか返ってこなかった
納得出来るわけがない
今度は電話をかける
｢…もしもし｣
｢ねぇ先輩！！どういうことなんですか！彼女がいるって…！！｣
｢…あー、悪い…ほんとにごめん…｣
｢しかも一年以上付き合ってるって…！騙してたんですか！｣
｢ちょっと、他の景色も見たくなって、それで｣
｢意味わかんない…！最低！｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 75人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：(´・ω・｀) | 作成日時：2022年9月6日 17時
