第四十四話 ページ46
ロー様からスマホを受け取り、今度はスマホで会話を進めるようにした
ロー｢おい、これ真っ暗だが壊れているんじゃないのか？｣
私は首を横に振る
サイドの電源ボタンに手をかけると、パッと明るい画面が出てきてロー様は心底驚いた顔をしていた
普段しない顔をしたロー様は、一瞬だけ我を忘れていたがすぐいつもの仏頂面に戻った
ロー｢さっき寝ている時に機械音がなっていたんだ｣
｢…？｣
…アラームでもなったのだろうか
メモを機能を取り出し、文字を打って伝える
”アラームがなっていたのかもしれないですね、1回鳴らしてみます”
タイマーの機能を使い、音を出す
ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ…ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ…
ロー｢！！それだ｣
｢っ…！｣
アラームの音に盛大に驚くロー様がたまらなく面白かった
声は出ないけど、思わず笑ってしまう
ロー｢人の顔で笑うんじゃねェよ｣
なんて言いながらも、ちょっと嬉しそうに私の頭を優しくワシワシする
なんか、何でも知ってそうなのにスマホわからないなんて、可愛いなとか思ってしまった
ロー様、優しいな…昨日とか初めて会った時とかと全く印象が違う…魔法にでもかけられた様な変わり方…
” お詫びにワンピースの男キャラ全員から好意寄せられるようにしとくよ！”
｢…｣
そう言えばツクルがそんな事言ってた気がする
もしかして、それのせいなのかな…
ロー「…お前、なんで海から飛び降りた？」
「！」
やはり聞かれてしまった、何で説明したらいいか分からないけど、素直に言うしかないんだろうか
”実は…”
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
ロー「…疑問に思うところは山ほどあるが、嘘ついてる顔ではないな」
私は全て話した
ここはフィクションの世界で、私はロー様達とは住む世界が違う事
寝てる間に元の世界に戻ったと思ったら、悪戯な神のせいで旦那を奪われ、生贄としてこの世界に永久的に閉じ込められた事
その神を捕まえようとして、無我夢中になって飛び込んで我に帰った事
そして、何日後かわからないけど…旦那との記憶が消えてしまう事
ロー様は、こんな嘘くさい話を信じてくれた
辛かったんだな、なんて似合わないセリフを吐きながら
もうどうしようもない、手立てがない状態だった
悲しくて、悔しくて涙が出た
ロー「また泣くのか」
呆れながら抱き寄せられた
ロー「もう1人で泣くな」
優しい言葉に、今まで溜まっていたものが爆発した
涙が止まらない、記憶がなくなるのが怖い
私は、本当に無力だ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 75人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：(´・ω・｀) | 作成日時：2022年9月6日 17時
