【ONEPIECE】何も知らない私がワンピの世界に飛び込むと (ページ30)

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第二十九話ページ30

「あああああもう本当に最っ低……！キスしなくたっていいのに……！！！」

顔の熱を冷ますように手で仰ぎながら自分を落ち着かせる

あの人、さっきから様子がおかしい……さっきまで弱い奴は死に方選べないとか言ってたくせに急に惚れたとか言い出して……！！！

本当の狙いは私じゃなくて私の未来を見る力のクセに…！
私のネタバレは穴あきだから、全部通して見てないしそもそもワンピースまだ完結してないよ！！無理だよ、荷が重すぎる！！！
イーストブルー編も抜け出せてない私に何をさせようというの！！！こっちはにわかだってのに！！！尾⊗先生に聞いてよ！！！転生させる相手間違ってる！！！

「もう疲れるほんと……って、そっか、いつも使ってるシャンプーとか何も無いんだった……」

やっとありつけた至福のバスタイムのはずだったのに、自分が異世界転生者だっていう存在をすっかり忘れ去っていた。何も趣味のない私だけど、お風呂にはこだわりがあった人だから……ないとちょっと悲しくなってしまう

「はぁ…せめていつも使っているお風呂セット欲しいなぁ」

ﾋﾟｺﾝ
『はい、わかりました』

突然Siriが喋りだした

「え？Siri……？なにこれ？」

スマホに目を向けて、何も無かったのを確認してからお風呂に戻ると、自分がいつも使っていたお風呂セットが置いてあった

「な、なんで……！？」

あまりにも非現実的で思わず目を擦った

「…ちゃんと、触れる…いつものシャンプーだ…」

このスマホ、ただのスマホじゃない……もしかして四次元ポケットか何かなの……？というかもう2日も充電してないのになんで動いたの……？

とりあえず…考えても埒が明かないし、他にお風呂入る人居たら困るからさっさと入ろう

「……早く家に帰らなきゃ……早く死ななきゃ」

シャワーの音に紛らせながら自分に言い聞かせる

「あ……家の、匂い……ちょっとだけ感じる……」

普段は大好きな匂いなのに、今はそれが酷く嫌味に感じてしまった

でも大丈夫、絶対帰るから待ってて…直哉くん