前を向いた彼女の話 三 ページ42
私と彼が最後に会う日。私が彼を呼び出した日。まるで祝福みたいに空は晴れ渡った。
それになんとも言えない気持ちになりながら空を見上げて、いつもより早めについてしまったことを疑問に思う。
いつもよりゆっくり歩いてきたはずなのに、何故だろう。
……家から出るのが早かったんだろうか？……でも、何故？
そこまで考えて頭をふる。そこから先は、考えてはいけない気がした。
ため息を一つ、海を見た。
青くて、蒼くて、あおくて。もう二度とあの場所へ行けないことに悔しくなった。
ゆらりと私以外の影が見えた気がして、後ろを振り向く。"彼"はそこに立っていた。彼は呆然としてこちらを見ていた。彼は、彼は_______。
なんだか海を見ていたのが恥ずかしく感じて、おどけたように彼に話しかけた。
『や、元気してた？』
2人で話す時間がほとんどなかったからか、話は弾んだ……と思う。彼はなんだかぎこちなかったし、私も、多分いつも通りではなかった。それでも時間は流れていく。
気が付けば青かった空は茜色に染まっていて、この時間の終わりを告げていた。
そして彼と話していくうちに、ある思いが胸の中に渦巻いた。
まだ
………でも、
そんな思いばかりぐるぐる回って、私は結局、何もいえなかった。
___そして、彼はもう帰らなくちゃと呟いた。
一瞬息が止まって、意識して大きく吐き出した。
『………そっか。………ばいばい。』
今度は彼を引き止めようとは思わなかった。
…………嗚呼、よかった。
わたしはまだ、かれより海を選べてる。
‥‥もう少しだけ君といたかったという
明日を約束する「またね」すら言えなくて。
でもせめて、せめていつもより笑っていたい。
____彼の瞳に映る最後の私は、笑顔のわたしがいい。
楽しくって仕方がない。そんな笑顔がいい。
彼に傷を残したくなかった。だって彼は"善人"だ。
幼い頃にどこか壊れてしまった私より、ずっとずっと普通で、善良で、純粋で、美しい。………そんなひとだ。
そんなことばかり考えて、結局わたしにできたのは精々、いつも通りを装って手を振ることだけだった。
心残りはあっても、刻一刻とその日は近づく。
_______________その日は、突き抜けるような青が広がっていた。
ラッキーアイテム
地図
(会えたら)ラッキー衣装
「仮面紳士」
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結城@ハスター教信者(プロフ) - 初コメ？失礼します！監視者の話泣ける・・・うぉぉこれから監視者の事どう見ればいいんだ！！こんな悲しい監視者の日記見ると監視者を植えれない泣き監視者・・・今まですまんかった！いつも面白く見てます！コメント失礼しました。 (2020年5月19日 17時) (
レス) id: f70674c364 (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ(プロフ) - とても好きです尊みがしゅごい…これからも楽しみに待っています！ (2019年10月3日 0時) (レス) id: 23ad3e01ef (このIDを非表示/違反報告)
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