血の女王と従者の話 終 ページ35
名もない誰かの墓を女性が見つめる。
その墓は巨大な木の前に立っていた。
多くに貢献した人とは思えないほど不恰好な墓。
苔むして緑に囲まれている墓。
墓の文字も、擦れて見えなくなっている。
…そういえば、あの人の名前を知らなかった。
決して、誰にも話そうとはしなかった。
あの人の名乗った名前が自分の両親に名付けられていたなんて、思ってもみなかったもの。
そっと、苔むして緑に覆われた、もう名も見えない、名を見せる気のないほどでこぼこで、お世辞にも”平たい”とは言えない墓石に触れる。
その石を、少量の水が落ちていく。
嗚呼、久しぶりに涙を流したような気がする。誰よりも気高い”私”であろうと、思って、いたのに。
止まらない、止められない。止めようと、思っているのに。
私の流した涙が石をつたう。
…嗚呼、そうだ。せめて私くらいは覚えていよう。
あの意地っ張りで努力家で情に熱くて責任感が強くて物理的にも精神的にも強くてなのに人を思いやって口をつぐむ優しさがあってどうしようもないほどお人好しで暗闇が怖いくせに雨が好きで炎が怖いくせに炎上してる場所に誰よりも先に突っ込んでしまうし苦手なものが多い癖に見たことのないものを食べようとするし陰口を叩かれてるのを知ってながらその人を救ってしまうし小柄なクセに誰よりも先頭に立って壁になる。その姿に！私はきっと救われていたのだ。
「………全く。貴方は相変わらずだったのね。」
緑のドレスを着たその女は、寂しそうに、満足そうに小さく笑った。
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ちょっとだけ話せそうなので裏話を
最終的に主人公のお墓の前に荘園生活を経て契約の元一定時間出られるようになったスカーレットマリー様が墓参りに来たよ、って最後です。(伝わったはず)
主人公が一番最初に乗ってた決して平くはない石→(主人公の)墓石.....は伝わったかな...？
きっと、女の子。
別に男の子でもいいんですけどね。マリー様の両親は許すんだろうか....
彼女たちの最期は頑張って違和感ないようにしたつもりですけど違和感ありますよねぇ...
なんとなく、そういう主人公の行動とか言葉遣いとかは(私の中の)マリー様に寄せてるつもりです。
もちろん主人公はマリー様リスペクト。
マリー様もなんだかんだ主人公を尊敬しています。
そんな二人が好き。
(彼女の本名とか、マリー様の武器が鏡なこととかに理由つけた話は蛇足すぎるので黙っときます)
前を向けなかった白無常の話→←スカーレットの女王と従者の話4
ラッキーアイテム
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(会えたら)ラッキー衣装
「仮面紳士」
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結城@ハスター教信者(プロフ) - 初コメ？失礼します！監視者の話泣ける・・・うぉぉこれから監視者の事どう見ればいいんだ！！こんな悲しい監視者の日記見ると監視者を植えれない泣き監視者・・・今まですまんかった！いつも面白く見てます！コメント失礼しました。 (2020年5月19日 17時) (
レス) id: f70674c364 (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ(プロフ) - とても好きです尊みがしゅごい…これからも楽しみに待っています！ (2019年10月3日 0時) (レス) id: 23ad3e01ef (このIDを非表示/違反報告)
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