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急に辰哉は唇を離して私の横に私に背を向ける形でころんと転がった。
「どしたの？」
「俺このままだったら本当に我慢できなくなっちゃうから終わり」
「え〜」
「え〜じゃないの。俺はAちゃんのこと大事にしたいからいきなりはしないの」
「ふ〜ん」
別にもっとちゅーくらいしてくれたっていいのに。
なんか少し寂しくなって背中から辰哉のお腹に腕を回して抱きついた。
「ねえ〜今引っ付かないで〜」
「やだ。このまま寝る」
「え、逆じゃない？この場合俺が抱きしめるんじゃないの？」
「…辰哉重いから」
「俺標準体重より全然軽いんですけど？」
「だって辰哉寝てる間に私に足まで絡めてくるから動けないんだもん！」
「え〜それは許して〜。かぁいいからつい…」
今日は私が抱きしめたい気分なの、なんて言えなくて可愛くないこと言っちゃうけどそれでも辰哉は可愛いって言ってくれるし抱きしめてくれる。
私には勿体無い素敵な彼氏。
「やっぱり俺が抱きしめる」
「やだぁ」
「はいはい拒否権ないからね〜」
辰哉はこっちを向いて私を向かい合わせのままぎゅっと抱きしめる。
私の顔は辰哉の薄そうで割とごつい胸に押し付けられてちょっと苦しいし、
筋肉痛のせいでこの体制痛ぇと思っちゃったけど辰哉が髪の毛撫でながらかぁいいかぁいい言ってるから何も言わなかった。
急にぐっと辰哉の顔を見上げてみると辰哉はちょっとびっくりした顔してたけどどした？って笑ってくれた。
少しだけモゾモゾと上に上がって辰哉の顔に近づく。
「おやすみ」
私から一回だけ短いキスをして目を閉じた。
「ずるい」なんて小さく聞こえたけど聞こえないふりしてそのまま寝たフリを続けていたらそのうち本当に意識が飛んでた。
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作者名：雪野真哉 | 作成日時：2024年3月15日 22時
