はじめまして。結婚してください。【紫】② (ページ40)

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拒否する理由なんてない。

『好きだけではうまくいかないのが結婚』

これは私が以前からずっと思っていたこと。
辰哉のことは好きだ。
でもそれだけじゃない。

一緒にいて楽しい。
安心感がある。
私をすごく気遣って心配してくれる。
隣がとても居心地がいい。
何より尊敬できる部分が沢山ある。
人間関係を築いていく上で相手への尊敬を持つことは大切なことだ。
たとえその相手が自分と血が繋がっていようといまいと。
だから私は。

「私は、辰哉のお嫁さんになりたいです」

自然と、涙が溢れてきた。
泣かないって決めてたけどこれは悲しみの涙じゃなくて喜びの涙、そういうことにしておく。

辰哉は私の頭を撫でてよかったぁ最悪ダメだったら俺の髪の毛むしりとる覚悟だったもんなんておどけたように言ってる辰哉の声も少し震えていた。

「そろそろ次行こうか」
「うん。そうだね」

2人で手を繋いで海から離れた。
タオルは生憎持っていなかったので仕方なくハンカチで足を拭いて靴を履く。

「次どこ行こうか」
「…病院？」
「何しに？」
「確かに」

とりあえずお昼ご飯を食べれる場所を探すことにしたがさすがに海の周りにはあまりなかった。
あるのはコンビニくらい。

「カラオケとかで食べる？」
「そうする？俺は全然いいよ？」
「じゃあカラオケ行こっか」

今日はちゅーとかなしだよ〜なんて話しながら2人でバスを待った。