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いつもは割と少食な辰哉は今日はおかわりまでしてたくさん食べてくれた。
そんなに美味しく食べてもらえると私としても嬉しい限りだ。
お腹いっぱい動けないとソファーの上で死にかけの辰哉にタルトどうする〜？と意地悪で聞いてみる。
「まって、今食べたら俺の肉じゃががキラキラする」
「トイレでお願いね」
「ねえなんで食べさせる前提なの？」
「ふふ。ごめんごめん。冗談よ」
タルト…明日もまだいけるかなぁ。
最悪私が1人で食べるしかないか。
1人でタルトを食べ始めると辰哉が私の前に座って私が食べているのを見始めた。
「なあに？そんなに見られたら食べづらいんだけど〜」
「ん？口いっぱいに美味しいもの頬張ってるAちゃんがかぁいいなぁって思って」
「…恥ずかしいから見ないで」
「恥ずかしいの？かぁいいね」
頬杖をついてずっと見つめてくる辰哉。
私はこんな場面何かのドラマとか漫画でしか見たことないんだけど辰哉はあっちでよくやってるんだろうなぁなんて少し複雑な気分。
なんか悔しいので私もヒロインっぽいことをしてやろうとタルトを一口辰哉の口元に近づけてみる。
「…食べた」
「ん？だってくれたじゃん」
「いや、肉じゃが出てくるって言ってたから食べないと思った」
「ちょっとなら大丈夫っしょ。てかAちゃんがあーんしてくれたの何気に初めてだから嬉しくて」
そんなこと言われると思ってなかったので急に恥ずかしくなってきた。
自分からしたとは言え、改めて言われると恥ずかしい。
黙ってタルトを食べていると辰哉が、ふは、かぁいいねと私を揶揄う。
なんか幸せだな、なんて思ったけど、“幸“と“辛”は紙一重なんて言われてる通り。
明日からは“辛”を感じることになるんだ。
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作者名：雪野真哉 | 作成日時：2024年3月15日 22時
