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「それでお話ししたいことは何？謝罪ならもう聞かないからね〜」
「ちがう！」
「うん。じゃあゆっくりでいいからお話ししてみな？」
私が酔ってっるからかちょっとゆっくりと、ちっちゃい子に話しかけるみたいな話し方をしてくる辰哉。
子供扱いされてるみたいで少し悔しい。でも嫌じゃないんだよな。
「わたしね、あのね、」
「うん」
「たつやのことね、すき、なの」
「うん」
「なんかね、きょう、たつやとれんらくとれなくて、こわくて、もうたつやとあえなくなるかもっておもったらむねがくしくなってね、なんかいやだなっておもった」
「そっか」
「まだけっこんはかんがえてないけど、でも、たつやのかのじょになりたい…」
酔ってうまく呂律が回らない中で必死に繋いだ言葉。
これが今の私の気持ちの全てでこれ以上でもこれ以下でもない。
「とりあえずお水飲みな？のめる？」
「うん。のむ」
「いい子」
手渡されたコップの中の水を半分くらい飲み辰哉を見るとどこか嬉しそうな、それでいて悲しそうな、複雑な表情をしていた。
「じゃあ俺もちょっとお酒入ってるし今のうちに伝えちゃおうかな」
そう言って私の残りの缶ビールに口をつける。
間接キスだ、とかなんか小学生みたいなことを考えてドキドキした。
缶から口を離した辰哉から発された言葉は酔ってまともな思考を失った私の頭の中にでもしっかりと入ってきた。
「俺ね、あと少しであっちに帰るんだ。…漫画の、中に」
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作者名：雪野真哉 | 作成日時：2024年3月15日 22時
