まほやく！(妄想)2

西の国 ページ42

(私は魔法使いではない)
シャイロック｢こちらへいらっしゃい｣
とても美しい私のお兄様。
深夜、お兄様が一人でベンチに座り本を読んでるその姿は麗しい。私はそんなお兄様が狂おしいほど好きだ。
私のこの気持ちに気づいてるのか、気づいてないのか知らないけれどお兄様に手招きされて隣に座って見る夜空は幸せそのものだしお兄様の存在が私の生きる活力。
あぁ、美しいお兄様。大いなる厄災にも負けない麗しいお兄様。
どうかそのまま私のお兄様でいて。

(私も魔法使い)
ムル｢どういう思考回路でこんなことを浮かんだのか是非お聞かせ願いたいな｣
偉大な哲学者ムルを兄に持つ私。
そんな兄の血筋か私も哲学者だ。まぁと言っても兄さんほど賢くはないけれど私は私の考えにプライドを持ってる。
なのに兄さんは私の考えはいつもバカだと言うふうに煽った聞き方をしてくるので会う度に言い合いが耐えない。
私が本を出す度に言いがかりを付けてくるしほんとにイライラする。
でも、この日常が楽しいってことはしばらく後に気づくのだった。

(私は魔法使いではない)
クロエ｢いい？いくよ……｣
と、兄さんはこっそり私に魔法を見せてくれる。
父さんも母さんも姉さん達もクロエ兄さんをいじめてるけど私は優しいクロエ兄さんが好きだ。
そう毎日のように兄さんの部屋に行っていたのだがそれがバレて何故か兄さんが怒られて殴られた。
私が悪いのに。私が兄さんに魔法を見せて欲しいってお願いしたからこうなったんだ。
それから私は兄さんの部屋に行くことは無かった。

(私も魔法使い)
ラスティカ｢すみません、どうも忘れっぽくて｣
お兄様が姿を消して数百年。
私は悲劇の貴公子を探して旅に出た。
聞けばラスティカ・フェルチという男が賢者の魔法使いに選ばれたそう。お兄様、やっと会える。ずっと探しておりました。
ずっとずっとお会いしたかったのに、お兄様は私のことを知らないみたい。
代わりに隣にいるのは赤毛の弱そうな男の子。
ふぅん、なるほど。貴方のせいなのですね。

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