まほやく！(妄想)2

北の国 ページ40

(私は魔法使いではない)
スノウ｢ね〜ホワイトちゃん｣
ホワイト｢なぁに、スノウちゃん｣
私のお兄様達は私は眼中になかった。
お兄様達は魔法使いで双子で2人でいつも仲良く遊んでいる。どうして私だけ1人で生まれてきてしまったのだろう。
魔法使いになりたかったと思うこともあるけれど私は、私は……。
どうして私は1人で生まれてきてしまったのだろう。
何回も何回も何回も親を恨み、お兄様達が羨ましかった。

(私は魔法使いではない)
ミスラ｢…………｣
ゆらゆらと水を滑って船は島へとたどり着く。
乗っているのは私とミスラ。
私達は共に船で死者を送っていたが今日は私とミスラしか乗っていない。
いや、私だったものとミスラだけだ。私みたいな人間の子が生きていくにはこの場所は寒すぎる。いつもよりゆっくりな船は段々と雪が積もっていく。
そして舟は島に時間をかけてたどり着いた。
ミスラが私を島に置く手は暖かくて、少し震えていた。

(私も魔法使い)
オーエン｢お前は僕の妹じゃない。それ以上言うようなら殺すよ｣
兄さんと再開したのは100年後だった。
私は昔足を滑らせて崖から落ち、それ以来死んだものだと思われていた。崖から落ちてどうにか頑張って親の元へ帰ろうとすると兄さんの気配がない。嫌な予感がして私は兄さんを探した。
それから100年が経ったけれど兄さんからしたら私は先に逃げたと思っているのかもしれない。
違うと言いたかったけれど変わり果てた兄さんを目の前にして私は何も言えず、負け犬のように背中を見せるしかなかった。

(私も魔法使い)
ブラッドリー｢おいおい！誰だよこいつに酒飲ませたの！｣死の盗賊団の一員の私。
昔化け物に襲われていたところをボスが拾ってくれた。
こんなこと言ったら失礼だが私はボスのことを尊敬しているし歳上なこともあって勝手にお兄ちゃんみたいだと思っている。ボスも私のことをよく心配してくれるので実質妹でもいいんじゃないか？兄のように慕っていますとだけ伝える。
……あの日双子やフィガロが来なければ何もかも失わなかったのに。

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