まほやく！(妄想)2

南の国 ページ38

フィガロ｢えー、賢者様そういうのが好きなの？言ってくれたら幾らでも言うのに｣
賢者がこんな年寄りが好きそうなものを好むなんて思わなかった。どちらかというと失笑するかと思っていたのに。
別に失笑されても言うがフィガロ自身もあまり言いたくはない部類の言葉遊びなので自分から発することはないが賢者の為なら全然言う。
ま、賢者が疲れていることはお見通しなので茶化すのはこの辺にして賢者にリラックスできるおまじないをかける。

ルチル｢アルミ缶にあるミカン……こんな感じでしょうか？｣
最初はえ？と思っていたが絵のお題だと気づきスケッチブックに独創的なアルミ缶とミカンを描いた。
いや、違うんですけどね。
これアルミ缶の形をミカンにしてもいいですね、あ、ならば……と最終的に出来たもの。
名付けてミカンのようなアルミ缶の上にあるアルミ缶のようなミカンです！
と、頭が混乱するような絵が出来てしまう。

レノックス｢………………ミカン？があったんですか？｣
長い沈黙の上発せられたミカン。
突拍子もなく生き生きと賢者が言うのにそんなに珍しいミカンかアルミ缶があったのかと思い、思わず良かったですねと声をかけるところだったが賢者から意味を聞き、なるほど、と納得した。
すみません、リアクションできずと謝罪させてしまったのでもう本当に疲れてるんだと思います、すみませんと部屋に帰ろうとした。
すると少し待ってくださいと声をかけられて少し待つとレノックスが落ち着くお香をくれた。

ミチル｢凄いです！面白いですね｣
素直に感心する。
普段使っている言葉で意味が違うものになる。
当たり前なことだが当たり前すぎて気づかなかった。
数日後オヤジギャグを教えてもらったフィガロがミチルにわざと何回も言っていたのでいい加減飽きたのか鬱陶しくなったのかフィガロに冷ややかな目を送るようになっていた。

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