まほやく！(妄想)2

南の国 ページ32

フィガロ｢もう大丈夫だよ、フィガロ先生が来たからね｣
賢者様と声が聞こえそちらを振り向くとフィガロがこちらへ歩いてきている。私の隣に来るとしゃがんで私の涙を袖で拭ってくれた。また涙が溢れ蹲ると背中を優しく撫でてくれる。泣いてる私が居なくなるまでずっと隣に居てくれたフィガロに事情を話す。
フィガロ｢きっと精神が不安定なんだろう。誰だってそんな時はある。何も恥ずかしいことじゃないし隠すようなことじゃない。そういう時はリフレッシュしてみるといいよ｣

ルチル｢賢者様！！｣
箒で魔法舎の方から飛んでくるルチル。あまりにも早いのでぶつかるんじゃないかと焦るがぶつかるのではなくその速さのまま私を抱き寄せて掬われるよつに飛んだまま箒に乗せる。何が起こってるのかお互いに全く分からない。敵はいないし、急に攫われるし、お互いに疑問符を浮かべそのまま飛行を続ける。
ルチル｢そうですね…。きっとそれはストレスだと思います。気がつけなくてすみません。良ければこのままストレス発散旅行に行きませんか？｣

レノックス｢ご無事ですか、賢者様｣
泣いていると突然物音がしたかと思った直後に私は地面から足を離していた。離れた理由はレノックスが私を抱っこしたからだ。辺りを見回すが人も獣の気配はない。とりあえず賢者様の顔を見ると目を丸くしている賢者様がいるので急にすみませんと謝る。そして何があったかを話す。
レノックス｢……とてもお辛いと思います。でも、あなたが手遅れになる前に見つけられて本当に良かった｣

ミチル｢賢者様、大丈夫ですか！？｣
魔法舎の方から走ってくるミチルの大きくて心配している声が私に届く。近づく度に私は段々と涙が引っ込んでいった。まるで太陽のようだったから。
彼は私の目の前に来て目線を合わせると怪我ですか？何があったんですか？と私の問題解決のために色々聞いてくれる。すみません、なんでもないんです。ただただ苦しくて…と私の言う言葉を疑わず聞いてくれる。
ミチル｢僕はフィガロ先生みたいにすごい人じゃないからきっと賢者様を治すことは出来ません。でも、悔しいです。僕がもっと強くて、カッコよくて、賢かったら今賢者様の涙を守ることができたと思います｣

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