まほやく！(妄想)2

東の国 ページ30

ファウスト｢賢者！｣
大きくてハッキリした声で私を呼ぶ声が聞こえた。
そちらをみると小走りで魔法道具の鏡を宙に浮かべながらファウストがこちらにやって来た。どうした、なにがあったと私の背中を支えながら心配してくれる。私は思わずファウストのしがみつき泣き続けた。彼は抱きしめはしないがずっと大丈夫だよと頭を撫でてくれる。暫くして落ち着いた後彼に何故泣いていたのかを説明する。
ファウスト｢僕に出来ることがあればなんでも手伝おう。だから抱えないでくれ｣

ヒースクリフ｢賢者様、大丈夫ですか！？｣
走って助けに来てくれる。シノ！シノ！！とヒースクリフはシノを呼ぼうとしたので待ってください！と泣き姿を見られたくないために止める。怪我じゃなく心のことだと分かるとベンチに移動して話を聞いてくれた。ヒースクリフは感化されやすいため話そうか迷ったが彼の力になりたいんですと言う言葉に負け、全て話した。
ヒースクリフ｢……そうですか。辛かったですね。明日一緒にお仕事手伝います｣

シノ｢敵はどこだ？｣
突如聞こえる賢者の泣き声。大きな魔力反応は無かったが突然聞こえだすなんて何かあったに違いない。大鎌を構えいつでも戦えるように賢者を守るように立ったがやはりどこにも気配はない。安全確認出来たあと賢者に怪我がないことを確認してなにがあったかを聞く。
シノ｢……俺には学がない。手伝うことはできないがあんたを好きな所へ連れて行ける。息抜きしたければ言ってくれ。どこへでも連れて行ってやる｣

ネロ｢どうした！賢者さん！！｣
いつも笑顔の賢者が泣いている。明らかに異常事態。ネロ……と弱った表情の賢者を見つけ、立てるか？と聞い後頷いたので賢者を箒に乗せて魔法舎の方へ帰る。何かが追ってきている様子はない。賢者を降ろすとなにがあったのか話を聞く。
精神的なことだと分かると一旦自分の部屋へ連れて行き、心休まるスープを作ってくれた後話を再開する。
ネロ｢あー……あのさ、なんか俺すげぇピクニック行きたい気分なんだよね。よければさ、明日ちっちぇの連れて行かね？｣

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