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ー 第三特異点 21 ー ページ22

エウリュアレが虚をつかれた表情を見せる。

「恐らく我々の船長も同じことを提案するでしょう。
そうでなくともうまく言い包め・・

説得しますので問題ありません」

「あんたやっぱりいい性格してるわ」

エウリュアレは少し思案する。

「あんたたちが構わないって言うなら」
「ありがとうございます」

エウリュアレの答えに秋は微笑んだ。

「・・あんた、とても変わってるわ。
それに、よく笑うのね」
「ふふ、ええ、
そう言われることも間々あります」

嫌いじゃないわよ、と、微笑んで、
納得してくれたらしいエウリュアレは、
アステリオスの肩へと昇る。

そんな二人をひきつれ、秋とアルジュナは、
そのダンジョンを後にした。





ーーその船は優雅に、優美に、悠然と、
海上をひた走っていた。

同乗するサーヴァントに何を言われていようとも、
その男には微塵と影響していないように見受けられる。

かといって彼女たちは別に、
彼を炙るつもりも、
煮込むつもりも、
焼きつくすつもりもない。

そのようなことを成したとて、
この男は微動だにせぬだろう。

「さ、船長。
そろそろ指示を出さないと、
風船より軽いそのおつむ(頭)を
抉りとり吹き飛ばしますわよ?」

故にこそ、
こうした形で、攻めたてる程度である。

男は、辛辣では済まないその物言いに、
しかしニヤけた笑顔ひとつ崩さずに言葉を返す。

「おっと、こいつはしたりw 失敬、失敬。

それでは、
真面目にやらせて頂きますですわww 」

回答の言葉さえまともに発音しない男の
「真面目」さはいささか疑問が残るが、

「と、いうわけで、
わが同胞(はらから)たちよ。
ペロマニア至宝の女神(ミューズ)、
エウリュアレ氏を、頂きに参りましょう!」

更に幾分か真面目な発音で、

「あ、ついでにBBAのアレもね!」

付け足すようにそう言った。

「さて、そろそろ出てくるかな?

フヒッヒィ!」

彼らが、そんな会話を交わしているなかで。
空気が、微弱な振動を見せていた。

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作者名:遊藍 | 作成日時:2019年5月4日 21時

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