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あの日、駅のホームには行かず車の中で遠ざかる兄を見て静かに泣いた。
兄の顔を見ず行かないと言い、ホームに向かう兄を車の中で見た。兄は1度も振り返らず前を向いて歩いて行った。それはまるで終わりを告げるかのように兄は遠ざかっていた。溢れ出る涙を隣で拭ってくれる人はいないのだと、自分で拭わなくてはならないと、分かっていたけれどその時だけはただ涙を流したのだ。
あれから3年、兄には1回も会っていない。
「まもなく___駅、___駅です、」
静かな車両に不釣り合いな大きいアナウンスが流れてハッと我に帰る。
隣の彼を見るとニヤニヤしてこちらを見ていたので何となくムカついて殴った。
「なんで殴るん！？そんな子に育てた覚えはないで！」
『育てられた覚えもないけど』
「育てたみたいなもんやろ」
『最悪』
酷いわー！、と大袈裟に悲しそうにする彼。
あれから何だかんだ言って彼とは続いている。彼はただ贅沢は言わないから側にいたいと言ってくれた。諦められない、と「1番側にいて大切な人」が空いているのならそこに入れて今度こそ俺を見てと言った。その場所に彼はもともと近くにいた、けれども大切な人であって恋い焦がれて愛した人ではなかった。そしてその事をきっと彼もそれを分かっているのだ。
兄が好きだったからこそ、これが恋じゃないなんてとっくに気づいていた。
兄を越える人なんて現れないのだと、心の奥深くに鍵を閉めて閉じ込めた。
「俺は去年ぶりに帰って来たわ」
『私3年ぶりだよ、長いなぁ』
「帰りたくなかったん？」
彼はいつも図星を突いてきて私はそれにいつも答えなかったけれど、
『そうだね』
今日は何故か素直に答えた。
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プラム - 返信ありがとうございます。ヨモギさんの作品好きです。これからも楽しみにしています！ (2019年8月29日 0時) (
レス) id: bd64163aa1 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ(プロフ) - プラムさん» プラムさん、コメント有難うございます。私も岸くんは普段考えてないように見えるけれど実は誰よりもグループのことを考えて行動している気がします。お気に入りのシーンを好きと言って下さって嬉しいです、有難うございます！ (2019年8月28日 9時) (レス) id: f404b9d437 (このIDを非表示/違反報告)
プラム - 岸くんは太陽みたいな人だけど、月の様な部分もあって。メンバーの誰よりも現実的に物事を捉えているように感じます。お話の中でリアルな岸くんを感じてドキドキしました。車の中でのシーン、私も大好きです。何とも言えない感情が沸き上がってきて、胸が熱くなりました (2019年8月27日 18時) (レス) id: bd64163aa1 (このIDを非表示/違反報告)
海里(プロフ) - ヨモギさん» いえいえ！返信ありがとうございます！！ (2019年7月22日 17時) (レス) id: 5be75b73df (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ(プロフ) - 海里さん» 海里さんありがとうございます、そう言って下さって嬉しいです！ (2019年7月20日 14時) (レス) id: f404b9d437 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヨモギ | 作成日時：2019年7月17日 11時
