10. ページ10
綱手は腹立たしげにチッと舌打ちした。怒りを抑えようと窓の外を見上げた。
「そもそもお前は甘い。オビトは殺すべきだった。それなのに任務に就かせるだと?いい加減にしろ、綱手」
「……一つアンタ達に言ってないことがある。あの大戦が終わった後、オビトの胸の中にある呪印を仕込んだ」
「呪印?」
「時限爆弾のようなものだ。木の葉に背こうとした瞬間に身体が爆ぜる。柱間の細胞を持つと言っても爆発には耐えられない」
「いつそんなものを付けた?」
ホムラは疑わしそうに綱手を見た。
「大戦が終わり落ち着いた頃だ。殺さない代わりに呪印を入れるという条件をオビトに飲んでもらった。……まあ奴にも甘いと言われたけどな」
やはりお前は甘いよ、とコハルは重ねていった。
「……致し方ない。お前の好きにしろ。だが、オビトを任務に就かせることは大っぴらにするな」
「分かっている」
「その事はゆめゆめ忘れるでないぞ」
そう言い残して、ホムラとコハルは部屋を出ていった。
ふー…と深い溜息をついて、綱手はまた空を見上げた。
「アイツらとはやっぱり馬が合わないな」
綱手が呟いた言葉は丸く里を覆った青空に吸い込まれていった。
22人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いずな - オビトェ… (2018年11月30日 23時) (レス) id: f5ee51c946 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:橘ゆら | 作成日時:2018年11月29日 2時