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もう岩山に来て2時間ほど経っただろうか、二人は寝転び、まだ空を見つめていた。

「そうか…あのサスケがな」
サクラは長年想い続けた恋が実らなかったことをオビトに告げていた。なんでオビトさんにこんな話をしてるんだろう、とサクラは自分でも不思議に思いながら話を続ける。

「でももういいんです。サスケくんが幸せなら、それだけで私も嬉しい」
「サスケと香燐が結ばれたとは……な。人の気持ちというのはどうなるか分からんものだな」

そう言いながらオビトはサスケとダンゾウが交戦した時のことを思い出した。
追い詰められダンゾウは香燐を人質にとったがサスケは一切躊躇をせず、香燐ごと攻撃し致命傷を負わせた。所詮その程度の関係だと思っていたが、サクラの話によると今では想いを通わせているらしい。

「初恋は叶わないものだって言いますしね」
頭を掻いてサクラは笑った。その笑顔が本当に吹っ切れて溢れた笑みなのか、それとも強がりなのか、オビトには分からなかった。
「初恋……か。俺も叶わなかったよ」
「えっ!」
なんとなく恋愛とは無縁そうなイメージを持っていたのでサクラは驚いた。
「しかも初恋の相手が好きだった相手がなぁ……」
「誰だったんですか?」
「お前の知っている奴だよ」

サクラは、恐らくオビトと同期の人だろうと思った。思い浮かぶのはカカシ、ガイ、アスマ……そのくらいだ。
「うーん…もう少しヒントを下さい」
「お前の身近な奴」
「カカシ先生……?」
オビトから返事は無かったが、その沈黙が質問に対して肯定を表すことにサクラは気づいていた。
「……恋愛なんて、そんなものだ」
オビトは笑った。
「結局守ることができなくて、手の届かない、遠いところへ行ってしまったよ」

オビトは右手を夜空に伸ばした。手を伸ばしても掴むことができない星のようにな、とオビトは呟いた。

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設定タグ:NARUTO , うちはオビト , 春野サクラ   
作品ジャンル:アニメ
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いずな - オビトェ… (2018年11月30日 23時) (レス) id: f5ee51c946 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:橘ゆら | 作成日時:2018年11月29日 2時

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