【NARUTO】求めていたもの〔うちはオビト〕 (ページ18)

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「……確か毒性のハナウドは光線過敏を引き起こす」
患部に光を当てないようにズキズキと痛むのを我慢して左手で覆う。左の掌にチャクラを練り上げると、そこから炎のような緑のチャクラが宙を揺らめき始めた。

_____私は毒に全く気づかなかった。

サクラは治療をしながら唇を噛んだ。

ハナウドは香りが強い。あの時ちゃんと気づくべきだった。私は医療忍者なのに……。恥ずかしい。

瞬時に気づき、対処したオビトと自分との経験の差をサクラは痛感した。

＊.。＊.。

その日の夜。
どこか遠くでフクロウの鳴き声が聞こえてくる。サクラとオビトは焚き火に当たり、疲れを取っていた。
昼間の事件以来、何となく気まずい二人は黙ったまま、不規則に揺れる焚き火を見つめていた。

「……オビトさん」
「どうした」
「昼間はごめんなさい」

木の枝を炎の木に投げ込もうとしたオビトの動きが止まった。
「……何がだ」
「『オビトさんが思ってるほど弱くない』って怒ったでしょ……本当は自分が足手まといになっているのに気づいていたのに認めたくなくて……」
そう言い、サクラは俯いた。

「サクラ」
オビトは立ち上がった。
「あの岩山に登るぞ」
「？」
「あそこからは星がよく見える」

＊.。＊.。

「なんで急に星なんか…」
「まあそう言うな」
見てみろ、とオビトはサクラに上を見るよう言った。

「わ……！」
満天の星空にサクラは息を飲んだ。
「一度ここに来たことがあってな。その時も星が綺麗だった」
オビトが岩山に腰を下ろしたのを見てサクラも隣に座った。
「木の葉でもこんなに星空は見れないですよね」

頭上に広がる星々を眺めていると、サクラはちっぽけなことで悩んでいたことに気づかされた。
「さっきお前は自分のことを足手まといだと言ったが……俺はそんな風には一つも思ってない」
「オビトさん……」
「サクラ、自分を卑下するな。お前は5代目火影の弟子だ。何十人、何百人の人の命を救ってきただろう。自信を持て」
「………はい」
サクラは眼をゴシゴシ擦った。

そうだ、私にだって出来ることはたくさんある。たとえ敵を倒す力が劣っているとしても、私には仲間の傷を癒し、命を救う術を知っている。

サクラの心の中の靄が次第に晴れていった。
「オビトさん……ありがとう」
サクラはオビトに微笑んだ。