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「あれが敵のアジトか?」
陰に隠れて様子を伺うサクラとオビト。雷の国に入り
「はい、恐らく。運搬会社にしては装備が重過ぎる……。アジトと見ていいと思います」
サクラは綱手が言っていたことを思い出した。
_____『人身売買をするなら船を利用すると考えるのが妥当だ。雷の国に着いたら、まず湾岸沿いにアジトを探せ』
「師匠の読み通りですね」
「そうみたいだな」
「はい」
アジトの周りにいるのは10人ほどで、しかも皆武器を携えている。相当な手練れだと遠目で見ても分かった。
「そろそろいく。準備はいいか」
「はい……!」
二人は一斉にクナイを飛ばした。しかし、そのクナイが届く前に危険を察知した相手は手にしていた鎌で弾き返す。弾かれたクナイに仕込まれた起爆札が爆発し、地面が震えた。
「誰だ貴様ら!」
敵は二人を威嚇するように睨みつけた。
「……やはりそう うまくいかないですね」
「今ので仕留められるとは思ってないさ」
と、その瞬間オビトは空気を切るような音が近づいてくるのに気がついた。
「サクラ!後ろからくる!」
「……っ!」
オビトに従い、上へ飛んでうまく回避した。
もといた場所にクナイが突き刺さる。
「チッ…外したか」
クナイを投げてきた敵に気づき、サクラは走り出した。
「しゃーんなろーっ!!」
右手の拳にチャクラを集中させ敵を目がけて宙を飛んだ瞬間、
______何!?
サクラは自分の身体が歪んだのに気づいた。何が起こったのか分析をする間も無く、サクラの視界は一転する。
「……!?」
サクラの拳は宙を切った。拳の先にはいるはずのターゲットがいない。それどころか他の敵、そしてオビトもサクラのそばにはいなかった。
「こ…ここは……」
しかしそこはサクラにとって見覚えのある場所だった。辺りは薄暗く、白い立方体が立ち並んだ、現実の世界とは似ても似つかぬ空間……。
「……神威で飛ばされたんだ」
周りを見回すがやはりサクラ以外は誰もいない。どうやら自分だけが時空間に飛ばされたらしい。
「でもなんで…?」
なぜ私を飛ばす必要があったのか。オビトがミスするとは考えにくい。
それならばーーー……
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いずな - オビトェ… (2018年11月30日 23時) (レス) id: f5ee51c946 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:橘ゆら | 作成日時:2018年11月29日 2時