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〜5 days ago〜 ページ8

5日前


________



…………




その日俺は珍しく、

ミンユンギの自室に呼ばれていた。




ドアをノックすると、

中からくぐもった声が聞こえた。



「……ジョングクか、入れ」




俺は黙ってドアを開け、
中に入った。






「…………何の用ですか」



椅子に腰かけ、
パソコンをいじるミンユンギに声をかける。





「おう、

とりあえずテキトーに座れ」



「……長居はしたくない」



「俺も別にお前と一緒にいたくねぇんだわ」



そう言いながら、
ミンユンギは俺の方に体を向けた。






「…………今からお前に頼むことは、

俺にとってみれば

本当に屈辱的な事だ」



やつは、下唇を強く噛み、
拳を握りしめた。





「あいつを救うのは、俺だ。


あいつを守ってやるのは、俺だ。



………………俺しかいねぇ



小さい頃から、ずっとそう思ってきた」






小刻みに震える拳。


爪がくい込み、中から微かに血が流れていた。





「でも今、俺は


当時と抱えているものが違うんだ



あの時の俺は、
あいつ一人だけだった。



でも今は違う。



俺一人の命で、
何千人もの未来を担っている。



すべてを放り出して
あいつを救うことは




…………………………できないんだ」





俺は、ミンユンギの話を聞きながら、



しかし、何も言うことが出来なかった。









「お前がどれだけあいつを愛しているかは
知らねえし、


知りたくもねえ。


ただ、あいつがどれだけ
お前を信頼しているかはわかっている




…………だから、今からお前にひとつ
頼みたいことがある」





そう言って、

ミンユンギは


俺に向かって小さな箱を投げてきた。





「……これは?」



「発信機とGPS、
あと、俺との連絡手段が入ってる」



中を開けると、
小さな機械とチップ、
そして携帯が1台入っていた。




「あいつの身にGPSを設置しろ。

万が一の時は、お前があいつを追うんだ」




ミンユンギは、
俺の目を真っ直ぐ見てきた。






「お前は、





あいつを救うことが出来るか?」






その問いに、


すぐには答えることが出来なかった。








俺は、






俺は、







俺は、







………………………………




…………………………




………………

*→←*



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あいし(プロフ) - 続き超!気になる!! (2023年4月7日 17時) (レス) @page13 id: 6b1f97a560 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新嬉しいです😭😭😭ありがとうございます🙏 (2022年1月6日 21時) (レス) @page13 id: 14d58fc984 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ(プロフ) - ありゃ、また更新ストップですか?(TT)気長に待ってます! (2020年12月17日 22時) (レス) id: 9d5fa108d2 (このIDを非表示/違反報告)
ジミカ(プロフ) - きゃー、更新ありがとうございます!めちゃ嬉しいです! (2020年8月12日 21時) (レス) id: 3cfa69081b (このIDを非表示/違反報告)
LILY(プロフ) - yka.さん» yka.さん、ありがとうございます!そう言っていただけると嬉しいです(涙) 更新頑張ります! (2020年8月12日 3時) (レス) id: 693a5832aa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:LILY | 作成日時:2020年8月10日 4時

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