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「お嫌いなんですか??
珍しいですね」



彼は不思議そうに小首を傾げて言った
Aさんは野菜が嫌いな訳でもないですよねとうーんと唸り考えて込んだ

そんな彼に私は皮肉を込めてこう言った



「良くも悪くも思い出なんです

幸せな思い出忘れられない忘れたくない忘れてはいけない
でも思い出すと辛い
私とあの人だけの思い出、、、」



そう、あれは誰も汚すことの出来ないショーケースに飾られた
他の人からしたらごく普通の日常でも私にとってはとっても素敵なキラキラした思い出


うっとりとあの日々を思い出すかのように語ってみる


私は彼が出した砂糖とミルクたっぷりのコーヒーの入ったカップの縁を指でなぞりながら彼を盗み見る
彼は意外にも驚いた顔をして私を見ていた


私は悪戯心が働いて



「意外ですか??私がこんな顔するの?」



と含み笑いを彼に向けた


彼はさっきより目を見開いて息を飲んだ

少し沈黙が流れて
私はにぱっと笑い彼におちゃらけてこう言った


「冗談ですよ!!本気にしましたか??
でも、もう一生ハムサンドは食べることはないです


じゃあ!!今日は梓さんのカラスミパスタで!!」



愛情たっぷりの!!と笑顔で巫山戯る

固まっていた彼は私のその言動でハッとなり
すぐに胡散臭い笑顔を貼り付けて返事をし梓さんにオーダーを伝えた


私は彼の驚いた顔を見ることができて気分が良くなり
鼻歌を歌いながらパスタを待った



私が彼に近づいたのは思い出のあの人の為
決して彼に惹かれたり彼の優しさに恋に落ちたわけじゃない


それに彼は優しくなんてない







冷酷な人殺しだ



私の唯一の幸せを奪った私の憎き男
私の平和を崩した男








それが安室透だ

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ヨナカ。(プロフ) - みかんじゅ〜すさん» コメントありがとうございます!最近更新できていなくてすみません。また更新させて頂きますので続き楽しみにしてたらと思います。応援ありがとうございます。 (2020年10月25日 9時) (レス) id: f073110432 (このIDを非表示/違反報告)
みかんじゅ〜す - あ、、、この作品めっちゃ好きです!応援してます!! (2020年10月3日 8時) (レス) id: 41ffb2800c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヨナカ。 | 作成日時:2020年8月15日 19時

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