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嘉山と関係が始まって以来
二人で会うのは殆どがホテルだったけど
一度だけ、家に上げたことがある。
その時はまだ今ほど冷めた感情ではなく
不倫といえど
恋愛をしているつもりになっていた私は
まるで付き合いたての彼氏を家に上げるような感覚で
甲斐甲斐しくお茶を淹れてみたりしたっけ。
そのときは
まさかそれを
失敗だったと思うときが来るとは思わなかったけど。
「A！」
帰って来た私を待ち構えていたのは
今や招かれざる客。
過去にしたい、男。
「常務」
あぁ、あのとき
何故家を教えてしまったのだろう。
後悔。
「何故、電話に出ない！」
マンションの前。
横付けされたこの男の車。
こんなところでずっと待ってたのか。
好きな男にされれば少しはきゅんとくるものなのだろうけど
過去の男にされるのは、ある意味恐怖ですらある。
「こんな遅くまでどこ行ってた」
「もう一度話し合おう」
「今ならまだやり直せる」
…うるさい。
喋れば喋るほど
あんたの男としての価値を下げることをわかってるのかしら。
「話すことなんてないです。失礼します」
「A！」
嘉山の手が、私を掴む。
「怒ってるのか？
でもあの女の子とは本当に何も」
「私、彼氏が出来たんで」
…めんどくさい。
直人さん、使わせてもらいます、"仮彼氏"。
「は…？」
「なのでもうあなたとは終わりです」
「待て！誰だそれは！…まさか、今市か！？」
"今市"の名前を聞いて、思わずﾄﾞｷﾘとする。
さっきまで一緒にいた感覚が戻り
顔に出てしまいそうで
私は慌てて訂正をした。
「違います。社内ですので」
「社内！？まさか、登坂じゃないだろうな？」
…何で登坂が出てくるのよ。
確かに、隣の席だし
全く何もないかと言われれば嘘になるけど
あれは酒の席だったし。
「違います」
「じゃあ誰が」
そのとき
私の手の中でタイミング悪く鳴る電話。
画面を見れば
"片岡 直人"
「片岡か！」
「あ、ちょっと！！」
私の携帯を取り上げる常務。
本当、最低。
「何の用だ！もう二度とかけてくるな！」
「ちょっと、返してください」
嘉山から携帯を奪い返すと
その拍子に携帯は切れてしまった。
ごめんなさい、直人さん。
そして
別れを切り出してから豹変したこの男。
本当、私、男見る目ないわ。
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NEE(プロフ) - みほこさん» ありがとうございます！ビューネくんもそろそろ終わるはずなので！パート2ともどもお楽しみくださいませ(*^^*) (2016年9月8日 23時) (
レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - MYさん» ありがとうございます！大人な直人さんに切なくなりつつきゅんしちゃってください(*^^*) (2016年9月8日 23時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - サクラさん» ありがとうございますー！隆二メインですが直人さんにもきゅんきゅんしていただけて嬉しいです(*^^*)やはり直人さんは大人キャラが似合いますー！ (2016年9月8日 23時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
みほこ(プロフ) - いつも楽しませていただいてます♪ビューネくんも大好きです♪つづき楽しみにお待ちしていますm(__)m (2016年9月7日 22時) (レス) id: 6b3f9fe695 (このIDを非表示/違反報告)
MY(プロフ) - 直人さん泣きそうかっこいいです (2016年9月7日 19時) (レス) id: ed4e215e6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2016年7月31日 20時
