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「Aさん、今外？」
「…そうだけど」
電話の向こうもザワザワしている。
乗り換え案内のアナウンスが聞こえて
彼━今市が駅にいるということはわかった。
「ひとり？」
そう聞かれて何と答えようか
少し返答を詰まらせた。
"仮彼氏"が出来たとは
言わない方が良いような気がする。
「会社の人と」
「そっか。
俺、今出張から戻ってきたとこなんだけど。
一杯付き合ってほしいなって…いい？」
伺いを立てているようで
これは命令だ。
断れば次に出てくる脅しは
何となくもう想像はついている。
「…どこに行けばいいの？」
「バーなんだけど、住所はラインで送っとくよ」
「…わかった」
仕方がない。
「すみません」
「あぁ、電話大丈夫？」
「ちょっと、取引先と今から会わなくちゃいけなくて」
席に戻り
ジャケットと鞄を手にとり、鞄から財布を取り出しながら
そう直人さんに伝える。
…嘘は、言ってない。
「今からって…もう9時半だけど、大丈夫？」
「大丈夫です。先方が今日出張でこの時間しか無理みたいで」
「それって、男？」
直人さんの言葉に
財布を開ける手が止まる。
別に、動揺するところじゃないわ。
「男…です」
「へー、それ気を付けた方がいいんじゃない？
こんな時間だし下心ありそう。
俺、ついてってあげようか」
財布からお金を出そうとする私の手を
手のひらで制しながら
直人さんがまたとんでもないことを言い出す。
直人さんを今市の前に連れていくって！？
ただでさえ特殊な関係なのに
もはや紹介の仕方なんてさっぱりわからない。
『こちら"仮彼氏"の直人さん。
そして私はこちらの今市さんの"モノ"です。』
そんな紹介出来るか！！
「大丈夫です。
本当に。後輩の同級生だし、仕事相手だし」
「そう？
まぁ気を付けろよ？
A、変な男に捕まりやすそうだから」
会計はいいから行きなという直人さんの好意に甘えて
指定された店に向かう中思う。
今市のことは絶対に言えない。
嘉山のことを知っている直人さんにも。
そしてまたその逆も然り。
"仮彼氏"が出来たとは
今市には言えない。
店に着けばカウンターに彼の後ろ姿を見つける。
近付こうとして
思わず立ち止まった。
彼は一人ではなかった。
右隣には髪の長い、若い女。
何故だろう、胸がざわざわするのは。
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NEE(プロフ) - みほこさん» ありがとうございます！ビューネくんもそろそろ終わるはずなので！パート2ともどもお楽しみくださいませ(*^^*) (2016年9月8日 23時) (
レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - MYさん» ありがとうございます！大人な直人さんに切なくなりつつきゅんしちゃってください(*^^*) (2016年9月8日 23時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - サクラさん» ありがとうございますー！隆二メインですが直人さんにもきゅんきゅんしていただけて嬉しいです(*^^*)やはり直人さんは大人キャラが似合いますー！ (2016年9月8日 23時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
みほこ(プロフ) - いつも楽しませていただいてます♪ビューネくんも大好きです♪つづき楽しみにお待ちしていますm(__)m (2016年9月7日 22時) (レス) id: 6b3f9fe695 (このIDを非表示/違反報告)
MY(プロフ) - 直人さん泣きそうかっこいいです (2016年9月7日 19時) (レス) id: ed4e215e6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2016年7月31日 20時
