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近付いてくる登坂の顔。
あぁ、やっぱり綺麗な顔してる。
…て、それどころじゃなくて
さすがにマズイ。
登坂は後輩だし
これ以上男性関係で何か起きれば
私の方がキャパを超える。
「…登坂。だめ」
肯定のための甘い"だめ"ではなく
諭すようにきっぱりと言えば
登坂が一瞬怯んだのがわかった。
悲しげに揺れる瞳は
私の罪悪感を大いに刺激するけど
仕方ない。
今登坂と男女の関係になるわけにはいかない。
「…何で、俺じゃだめ？」
「登坂は後輩だから」
「何だよ、それ」
怒ったような
拗ねたような
不機嫌そうに眉間に皺を寄せ
登坂は私から身体を離した。
「納得できねーよ、そんな理由。
俺のこと嫌いって言ったらいいじゃん」
「嫌いとか、それはまた違うでしょ」
「俺、本気なんだけど！」
と、そのとき。
「おみくん？電話終わった？？迎えにきちゃった」
空気を読めない女子、襲来。
「…登坂、行って」
「でも！」
「いいから！」
「…ん、電話終わった。行こ」
「うん、行こ♡」
不機嫌な顔のまま
女のコと戻って行った登坂。
私はふらふらともう一度トイレの個室へと入り
そしてしゃがみこんだ。
…なんなの、あれ。
登坂の軽口は慣れているし
日常茶飯事だけど
今日は明らかに様子が違っていた。
チャラいけど
仕事は真面目で
私は登坂のことは決して嫌いではないし
後輩として可愛がっていたつもりだった。
登坂が時折甘えてくるのが可愛いと
心の癒しにした時もあったけど
あんな風に"男"を見せたのは
初めてだったから。
平静を装えど
心臓の速いのは誤魔化せない。
しゃがみこんだまま
私は頭を抱えた。
いい大人の女は公私混同はしない。
登坂には、何事もなかったかのように振る舞うべきだ。
コンコンとトイレのドアがノックされる。
やばい、占領しすぎてたか。
「…はい！出ます！」
慌ててドアを開け出ようとすれば
そのまま押し返される衝撃。
「えっ……なに…っ！？」
咄嗟のことでそれが何か
すぐに確認することが出来なかった。
驚いて見上げれば
私をトイレの個室へと押し返したその人が
私を微笑んで見下ろしたまま
後ろ手に鍵をかけた。
「臣に襲われちゃった？…大丈夫？」
そうだわ
元はといえば全部
この男のせいじゃない。
睨む私を見据えて
今市は一歩、私に近付いた。
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NEE(プロフ) - みほこさん» ありがとうございます！ビューネくんもそろそろ終わるはずなので！パート2ともどもお楽しみくださいませ(*^^*) (2016年9月8日 23時) (
レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - MYさん» ありがとうございます！大人な直人さんに切なくなりつつきゅんしちゃってください(*^^*) (2016年9月8日 23時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - サクラさん» ありがとうございますー！隆二メインですが直人さんにもきゅんきゅんしていただけて嬉しいです(*^^*)やはり直人さんは大人キャラが似合いますー！ (2016年9月8日 23時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
みほこ(プロフ) - いつも楽しませていただいてます♪ビューネくんも大好きです♪つづき楽しみにお待ちしていますm(__)m (2016年9月7日 22時) (レス) id: 6b3f9fe695 (このIDを非表示/違反報告)
MY(プロフ) - 直人さん泣きそうかっこいいです (2016年9月7日 19時) (レス) id: ed4e215e6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2016年7月31日 20時
