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「ここに呼んだのは、わざと？」
少しだけ口調がきつくなったのは
痛む胸を誤魔化すため？
そんな私の心の内を知っているみたいに
今市は微かに笑う。
「協力するって言ったでしょ」
「だけど」
「もったいないって思ってたんだ」
ホテルのロビー。
まだ出入りする客の多いその場所で
今市は私を見つめ、頬に触れた。
「あなたほどの女性が "愛人"に甘んじているなんて」
…マズイ。
いつもみたいに
余計なお世話だと振りきらねばならない場面なのに
私は彼に見つめられて動けない。
この男は危険。
そう、私の本能は警鐘を鳴らすのに。
「別れちゃったら？あんな男今ここで」
「今って言ったって…」
「だから。協力するってば」
にっこり笑う今市の意図がわからず
動揺した心のままふと彼から目を反らし嘉山に目をやれば
今市とともにいる私の姿に気付いたようで
目を丸くして私を見て
そしてばつが悪そうに視線を下へと落としていた。
嘉山の隣にいる女だけが怪訝そうに
どうかしたの、と尋ねているようだけど
それに答えている様子はない。
「…少し我慢して」
「え…」
今市は嘉山の視線を確かめると
そう言って私に顔を近づける。
待って！？
このままじゃ触れる━━
そう思った唇はギリギリ触れず。
代わりに耳に入ったのは
"A！"と私を呼ぶ
嘉山の声だった。
「何してるんだ、A」
戸惑う女のコをその場に残し
私と今市のいる方へ近付いてくる嘉山。
何してるなんて、よくもそんな言葉が言えるわね。
「こんばんは、嘉山常務」
「貴様、よくもうちの社員に」
にこやかに挨拶をする今市へ食って掛かる嘉山。
こんなときだけ上司面しないでよ。
「お気になさらず！
…常務こそ、デートのお相手がお待ちですよ」
毅然とそう嘉山に告げれば
少し傷ついた顔を見せる嘉山。
なにそれ。
どうしてあなたが、そんな顔するの？
「…はっ、僕はもう不要ってか。
最後まで可愛げのない女だな！
いつもツンとして男を見下して！！」
私に向かってそう捨てぜりふのように言った嘉山は
そのまま、女の子と共にエレベーターに乗っていった。
別に辛くなんかない。
フッたのは私。
なのに
「…可愛げない？見る目ないよね。
泣かないで…
可愛いよ、あなたは」
目の前の今市の言葉で気付く。
私、泣いてたんだ。
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NEE(プロフ) - みほこさん» ありがとうございます！ビューネくんもそろそろ終わるはずなので！パート2ともどもお楽しみくださいませ(*^^*) (2016年9月8日 23時) (
レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - MYさん» ありがとうございます！大人な直人さんに切なくなりつつきゅんしちゃってください(*^^*) (2016年9月8日 23時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - サクラさん» ありがとうございますー！隆二メインですが直人さんにもきゅんきゅんしていただけて嬉しいです(*^^*)やはり直人さんは大人キャラが似合いますー！ (2016年9月8日 23時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
みほこ(プロフ) - いつも楽しませていただいてます♪ビューネくんも大好きです♪つづき楽しみにお待ちしていますm(__)m (2016年9月7日 22時) (レス) id: 6b3f9fe695 (このIDを非表示/違反報告)
MY(プロフ) - 直人さん泣きそうかっこいいです (2016年9月7日 19時) (レス) id: ed4e215e6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2016年7月31日 20時
