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『じゃ、先輩、今からデート…』
「しません、それじゃ」
登坂の電話を切り、間もなくして
すぐにかかるのはまた見知らぬ番号。
知らなくても大体想像はつく。
「はい」
『今市です』
「…昨日はどうも」
一応、社交辞令的にそう言うと
電話の向こうでフッと笑う声がする。
『今から会える？』
「…今日は用事が」
『じゃあ臣と暴露大会しようかな？』
……脅し？
やっぱり腹黒い、この男。
「…夕方からなら」
『それじゃ17時に前に会ったホテルで』
そう言って切れた電話。
何なの？
しかもよりによって
あのホテルでだなんて嫌がらせにも程がある。
いいわよ、今さら
身体の関係になることに抵抗なんてないし
秘密を守るために身体を差し出せっていうなら
いくらでも出してやろうじゃない。
そんな間違った勢いで
ちゃっかりお洒落までして出掛けた先。
偶然って本当にあるんだ。
まるでドラマみたい。
私の視界に入ったのは
電話をかけてきた彼ではなく
昨日二人で過ごすつもりだった私の上司だった。
…嘉山常務。
でも、そう呼ぶのは憚られた。
私に気付かない嘉山の腕に
するりと巻き付けられる細く白い腕。
私より少し若い、女の登場。
可愛らしい風貌のその女は
夜の女でも
まして彼の家族でもない。
親しげに肩を寄せ合い
そしてエレベーターホールへと向かう二人。
なるほど。
浮気…っていうのはおかしいけど。
"不倫相手"はひとりじゃなかった、ってことね？
『きみを大切にしない男なんてどうかしてる。そんな男、別れたらいい』
『もっと早く出会えていればよかった』
『結婚してから真実の恋に気付くなんて俺は不幸だよ』
バッッカみたい。
これは全部嘉山が私に言った言葉。
こんなことを言う嘉山もバカだし
それを鵜呑みにせずとも
少し期待はしていた私も大バカだ。
何故私だけと思ったのだろう？
不倫するような男が
その相手は一人だけかとなぜ疑問に思わなかったのか。
だけど
これでよかったんだ。
いつか止めねばと思っていたし、
もうこれで何の情も残さず別れられる。
泣いたりしない。
不倫で泣くなんて言語道断だ。
そのとき
これが強がりだと認められない私の前に
タイミングよく現れた待ち人。
「お待たせ」
今市。
この偶然は、あなたの差し金なの？
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NEE(プロフ) - みほこさん» ありがとうございます！ビューネくんもそろそろ終わるはずなので！パート2ともどもお楽しみくださいませ(*^^*) (2016年9月8日 23時) (
レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - MYさん» ありがとうございます！大人な直人さんに切なくなりつつきゅんしちゃってください(*^^*) (2016年9月8日 23時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - サクラさん» ありがとうございますー！隆二メインですが直人さんにもきゅんきゅんしていただけて嬉しいです(*^^*)やはり直人さんは大人キャラが似合いますー！ (2016年9月8日 23時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
みほこ(プロフ) - いつも楽しませていただいてます♪ビューネくんも大好きです♪つづき楽しみにお待ちしていますm(__)m (2016年9月7日 22時) (レス) id: 6b3f9fe695 (このIDを非表示/違反報告)
MY(プロフ) - 直人さん泣きそうかっこいいです (2016年9月7日 19時) (レス) id: ed4e215e6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2016年7月31日 20時
