優しい嘘と冷たい言葉 (ページ6)

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一瞬体を強ばらせてはいたものの
出てきたのは不良でも教師でもなくただの女の子だった
…まぁ、この子だって真面目そうには見えないが
不良ってほどではないだろう

確か…彼女は…クラスメイトだ
小学校の頃から同じクラスになることが多かった気がするし何かと彼女とは関わりがある
例えば小学校の実行委員では同じになったこともあったし
隣の席だってなったことがあった

中学校でもマラソン大会で二人揃ってビリだったりしたし…

そんなことがあって彼女の顔は覚えている

「此処にいたんだ」

彼女はそういって呆れたように笑った

「…何？探しに来たの？」

「うん、急に出て言っちゃうもんだから追いかけてきてね
…まぁ、さっき屋上にいって不良さんがたに怒られてきちゃったんだけどね」

「追いかけてきたって…何？いい子ぶってんの？」

冷たく、そういった
ほとんどの場合そんなことを言われたら善意で行動した相手は気を悪くしてこの場を離れるだろう
だけど彼女はん？という表情を浮かべて

「そうだけど？」

と、何を今更…とでもいいたいような目で私を見てきた

予想外の回答に思わず固まる
いや、こういう性格の子もいるのは確かだ今まで何人か見てきた
だけどその子達は皆無理に強がってるようにしか見えなかっただって泣きそうな顔をしてたりする子がほとんどだったし
だけど彼女はは違った
演技の可能性もあるが
私から見たら彼女は本当に当たり前じゃんといいたそうな顔をしていた

あと、私がびっくりしたのにはもう1つ理由がある
この子…結構関わりも多かったこともあって性格を知らないと言ったら嘘になる
それはあくまで小学生の時の彼女の性格をなのだが

小学生の彼女は打たれ弱い性格をしていた
怒られたらすぐ半泣きだし
同級生からもちょっときつく当たられただけで涙を目にためさせる子だった
オマケにこの子はいじめを受けていた記憶がある
いじめを受けていた時も何も言い返せずずっと涙を堪えていた気がするのだが

この私の事記憶が正しいのか…その自信が無くなってきた

だってこんなにも真っ直ぐななんの迷いもないようなので目をしている子だ
怒られたぐらいで泣かず直ぐに改善に移そうとする子で同級生からきつく当たられたら言い返しそうだしいじめを受けたら真っ先に誰かに言いに行きそうな子が持っている目をしている

というかそれは明らかに事実だろう
現に、私の言葉を受けても泣かなかった

小学校時代の彼女なら半泣きにはなっていただろうに