優しい嘘と冷たい言葉 (ページ33)

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「…おい、桜丘」

先生が声を荒らげて私の名前を言う
まるではやく折れて面倒事を終わらせてくれと言いたげな表情をしている

「…だから…私はしてません」

こればかりは庇いきれないよ
これは、本当に自分が悪いんだから

…でも、
もしも…彼女が誰かに脅されていたなら…？
本当の悪人は見つからないままこの事件は終わるんじゃ…

いいや、余計なことを考えないでおこう

「だが、彩夏はお前が公園で小学生と話しているところをみたと言っているが？」

「…昨日は小学生とは一切会話はしていません
公園で話していたのは同い年の女の子です
それに、その公園はその子と私だけでした
他の友達にあたる人なんて1人もいませんでしたが」

「他の子達が危険を察して隠れたかもしれないだろう」

「それは有り得ません
あの公園には小学生が隠れられるようなスペースはありません
周りは家ばかりですし
遊具という遊具はブランコとタイヤの遊具だけです
そんなところで隠れれるはずがありません
…それに、その子がお菓子をとられたのは何処の公園ですか？
このあたりに公園なんて沢山あります
私が昨日いた公園は家から徒歩1分程の小さな公園です
…仮にその公園だとしても私がいたのは6時過ぎ
物騒な世の中、いくら日が沈むのが遅かろうと小学生はそれくらいの時間にはもう帰ってると思うのですが」

「…そこまで言われたら逆に疑わしいよね」

…まだ言うか…
彩夏さん…という名前らしいな
さっき先生が言っていた気がする