SILVER EYES 【LEVI】 (ページ36)

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戦慄 Ⅲ ページ36

『エルヴィン団長！聞こえますか！？団長！』

撤退し日が完全に暮れる頃にローゼの壁上に到着した調査兵団は損傷消耗が激しく駐屯兵団の力を借りて介抱されていた

そんな中エルヴィンが気を失って倒れてしまったのだ

『早く運べ！！』

その後兵舎で療養中のエルヴィンが目を覚ますまでの数日の間 Aがずっと看病をしていた

駐屯兵団のピクシス司令やリヴァイハンジがエルヴィンが目を覚ましたという報告を受けて訪問していた現在エルヴィンのベッドの回りに上記の３人とA 104期調査兵とピクシスの部下が居た

｢…とまぁ正確に言えば我々はその一週間でウォール・ローゼは安全じゃと言い張る他無かった
今は避難民も元の土地に帰っておるが幸いというべきかこれ程の混乱の最中に兵力を行使した事件はその一件のみ
元々旧地下都市にいた不法住民が立ち退きを命ぜられ…一部の地区で憲兵と衝突しおった
死者こそ出んかったがその事件が壁全域に与えた影響はでかかったのう…地獄の釜が一瞬蓋を開けたのをみたのじゃからな
皆が身をもって確信したよウォール・ローゼ崩壊後は１週間の猶予を経て人類同士の殺し合いが続くのだとな｣

Aはピクシスの部下にその場を任せて皆に飲み物を出す為に部屋を静かに退室した

その様子をリヴァイが横目で見ていたことに気付いたのはエルヴィンだけだった

授業中先生に許可を取ってトイレの為に教室を出る時や入る時だって大体の人がその人を一瞬でも見るだろう例えるならそれと同じでリヴァイも見ていたと考えられるが
リヴァイがAを見る目はそんな興味性の高いものでは無いような気がエルヴィンにはしていた

数分後にAが戻ってくるとトレーの上にカップを乗せて持っていたのを見て退室した意図を心内で皆理解した

104期調査兵の男の子コニー・スプリンガーの母親が巨人になっていた話をハンジが話していた最中だった

1人ずつに紅茶を渡していきその場の空気を暖かく柔らかくしていった

｢私には紅茶じゃないのか…？｣

『紅茶には睡眠を妨げる成分が入ってますからエルヴィン団長には砂糖湯で我慢して頂きます』

｢なるほど…そうか｣

『一番茶葉と言って一番最初に収穫された茶葉なのでその分その成分が多く含まれているんです』

｢アッサムか｣

『すみませんもっと良い物をと思ったのですが準備していなくて』

｢いや…お前の入れ方が上手いから良い｣