！！ ページ30
障害物をよけながら進んでいると、廊下の脇に医務室の椅子が置いてあるのが見える。その椅子の上にいるアーモンドウォーターは、まるで「取れ」とでも言いたげにこちらを向いていた。
俺は急いでそれを取る。
一体誰が置いていったのか疑問が残るが、ただ一つ分かるのはそれを知る必要はないというだけだ。
クソッ！開けよ！
走りながら缶を開けるのは地味に難しい。走ってるからか、疲れか、空腹か。手がどうしようもなく震える。障害物もあるというのに。
そんなマルチタスクをこなし、ようやく缶を開けられる。
飲む時ぐらいゆっくりしたい......
不意に水分が入ってこないようにちびちび飲む。口元からこぼれるわ、それでもやっぱり気持ち悪くなるわで最悪だったが、なんとかエネルギーは補給出来そうだった。
そんな時、病院のベッドらしき物が道を塞ぐ。両方にスペースはなさそうで、素早く通り抜けるにはベッドの上を跨がないといけない。
「やるしかないな」
走りながら左足で踏み切ってベッドの中間ぐらいに飛び乗る。そしてその勢いでまた右足でベットの縁を踏み切り、左足で着地する。ハードル走の経験が活きるとは思いもよらなかった。
缶の中身が減ってしまったが、これくらいなら許容範囲だ。
走れ、走るしかない。
何度もそう自分へ言い聞かせていると、扉がようやくかすかに見えてきた。
足はもう感覚が無いように感じるが、出口が見えてきた事を見て、動かなくなりそうな体に鞭打ち、走り続ける。
追いつかれてたまるかッ！！
もう後ろの足音との距離は、残り数mもない。足が地面を蹴飛ばす音はさらにスピードアップする。
それがどっちのかなんて、満身創痍の俺には分からない。
ついに出口の扉が目と鼻の先にまで来た。
だが、後ろの足音からしても、俺の背中が目と鼻の先にあるのだろう。
間に合ってくれ＿＿。
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魔裟斗(プロフ) - トめAと@カド松さん» 主人公君のスタミナと精神が削れていく...多分主人公君なら大丈夫ですよ！多分 (2022年11月20日 10時) (
レス) id: c664745501 (このIDを非表示/違反報告)
トめAと@カド松(プロフ) - う、運が致命的に悪い…level！からlevel fun:)は流石に同情しちゃう… (2022年11月20日 9時) (レス) @page32 id: 98a0a1531c (このIDを非表示/違反報告)
魔裟斗(プロフ) - トめAと@カド松さん» 面白いと言って頂きありがとうございます！励みになります！パイプドリームから無事抜け出せても、レベル6やらありますからねぇ...主人公がどんな結末を辿るか、楽しみにして下さい！ (2022年10月27日 6時) (レス) id: c664745501 (このIDを非表示/違反報告)
トめAと@カド松(プロフ) - レベル0の足音･･･レベル0ってたしか二人以上同時に会えない性質あったし多分エンティティだな･･･パイプドリームにはたどり着いたがはたして･･･ backroomsの作品少なくて、見に来てしまいました･･･！面白いです。頑張って下さい！ (2022年10月26日 21時) (レス) @page13 id: 8b7bdbc23e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：魔裟斗#MEG日本支部 x他1人 | 作者ホームページ：なし
作成日時：2022年10月17日 21時
