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(続きです)

 有り余る謎の馬鹿力の原因は父方の特性もあるが、大方は人間関係に苦労するだろうと心配した両親が我が子が自分で身を守れる様にと護身術として学ばせたもの。だが、武術の才能が無かった為にどれも身につく事はなかったと言う。
 しかし、心配する両親の期待に応えたい一心で独学で体術を研究しながら鍛え続けた結果、気付いた頃にはもやしなのに林檎を片手で砕くぐらいの力を手に入れていた。塵も積もれば山となる。彼の勤勉さが招いた、ある意味事故である。
 因みに、想像とは違う方面で強くなった我が子に両親は普通に喜んだし、安心したらしい。この子にしてこの親ありである。
 現在は全盛期よりも筋力等が衰えているので片手で林檎を砕く芸当は出来ないが、一撃でアマチュアの格闘家を鎮める事は今でも出来る模様。やっぱりゴリラである事には変わりない。

 趣味の裁縫は元々裁縫好きな母から教わったもので、現在でもストレス発散の為に裁縫をする事がある。刺繍や簡単な小物作りもするが、その中でも一番得意なのが編み物。特に編みぐるみは商品だと言われても違和感が無い程のクオリティで、約二週間程度で出来上がる。流石に異常である。暇さえあれば作れてしまうので、出来上がった編みぐるみは近所の子供にあげたり、実家に送ったりしている模様。

 お酒は苦手な上に弱く、一口のアルコールだけでもすぐに酔う。その為、飲み会や会食でもお茶や水しか頼まず、誘われても断り続ける。
 因みに酔うと酷い笑い上戸になり、何もして無くても延々と笑い続け、ツボも大分浅くなるのか親父ギャグ一発で呼吸困難になる程大爆笑する。
 又、この時は判断力の低下と共に気分が良くなり過ぎるのか、お願い事をされると何でも了承してしまう癖がある。それこそブラック企業勤めの時はその性質を利用され、高額の商品を買わされたり、他人の仕事まで請け負ってしまう事が多々あった。本人は多額の借金を背負わされるまでいかなかったのは運が良いとの事。そんな上機嫌な酔い方をする所為か何度も命や貞操の危機に晒されたが、殆ど持ち前の馬鹿力で解決してきた。みんな友達、いいね?
 尚、飲んだ日の翌日は大体二日酔いで寝込む上、記憶を保持するタイプなので数多くのやらかしに対する反省会を一日中している模様。


(続きます)

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作者名:十二月三十一日 | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年1月8日 15時

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