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那須side
部屋の天井って、あんなに白かったっけ。
学校から帰ってすぐ、
力が抜けるようにベッドに寝転んだ。
手枕をして仰向けになった後、ため息がこぼれる。
「かすみ、俺を驚かせようとして騙してるんだよ、きっと笑」
下手くそに笑って、
言い聞かせようとしている胸が苦しくなった。
「そんなことしないって俺が1番わかってるだろ」
ふと我に返ると、空虚感が漂った。
寝ている体勢を変えて、横になったまま蹲る。
腹の奥底の方で、ムカムカと葛藤が沸騰していた。
屋上の階段での言葉…
かすみの口から出た時、
俺は何も言い返してあげることができなかった。
ただ、踊り場から見上げたかすみの顔が
儚くて、俺が寄せる思いを強くさせたんだ。
「何で、俺にだけ言ったんだよ…。」
そのまま体を縮こませて眠りに落ちた。
大事な人を失う感覚とか気持ちって
そんなの俺にはまだ分からねーよ……。
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作者名:ホワイトチョコ | 作成日時:2022年6月20日 21時