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陸拾肆話 ページ19

某日、任務の為に東京府に来ていたAと義勇は、正和に言われた店に侵入した。


月光が辺りを柔らかく照らす中、店の内部と外部で見張りを続けていた結果、その鬼は現れた。


『……………………』


「………………変だな」


二人の足元には、今にも灰となり消えてしまう鬼。


柱二人の任務ならば、その実力は十二鬼月かそれに匹敵する鬼が対象だと思っていた。


しかし、実際に現れたのは、そこらに居そうな雑魚鬼如き。
こんな鬼に、鬼殺隊士数名がやられたのか、と。


『考えられるのは鬼殺隊の剣士が、油断をしてやられた…?』


「それはない。(隊士の)中には階級の高い者もいた」


Aの疑問を義勇は否定をする。
義勇の言う通り、この鬼はそこまで強くない。
入ったばかりの癸の剣士ならともかく、階級の高い剣士が負けるのは到底思えなかった。


『義勇、やっぱり少しおかしい。一旦ここは―――』


カランっ……


引き返そう、そう言う前に、建物内に何かが落ちた。
刹那、その何かが爆発し、辺り一体を煙で覆い隠す。


流石、幾千もの修羅場を潜り抜けた柱だ。
とっさのことにも動じす、口元を覆いながら臨戦態勢に入る。


しかし、その煙には何らかの薬品が含まれていたのだろうか。
途端にぐらりっと視界が回り出す。


「A、大丈夫か………ッ!?」


『……………ッ』


返事を返そうとするが、視界が回り、急速に睡魔に襲われ始めたAはその場に膝を着く。


『(これは恐らく鬼の仕業じゃない……!)』


滞る思考の中、Aはうっすらと目を見開くと、そこに一人の人影があった。


『(騙されたっ、まさかこのタイミングで仕掛けるなんて…っ)』


いくら未来の出来事が分かるとは言えど、常時やるほど体力が無い為、使わなかったのが仇となった。


毒などの体に有害な物は無効化出来るが、鬼の血気術などではない。人為的な物だ。


自分の油断のせいで、義勇までこの様な目に合わせる事に罪悪感を覚えながら、Aは深い眠りについた。

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尊い - 続きが速く見たいです (2022年3月26日 23時) (レス) @page11 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 続きが気になるぅぅぅぅうぅぅう!!!!更新楽しみにしてます! (2022年3月18日 8時) (レス) @page11 id: 04c952a5b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わんフル | 作成日時:2022年2月22日 8時

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