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『……電話だ』

携帯がめちゃくちゃ震えている
出ると、場地君だった

『もしもし場地君?』
「桜。一虎と話せたか?」

場地君はあれからよく話すようになった
一虎が私を拒絶したあの日
彼なりに負い目を感じていたんだろう
こうやって向こうから電話をかけて話を聞いてくれる

『いや……二日前に面会しに行ったけど
やっぱり会ってくれなかった』
「そうか……」
『場地君の方は?』
「話した。
桜の事聞いたら黙っちまったけどよ」
『……そっか』
「アイツの中でまだあの事件の事が整理出来てねぇんだと思う。桜を殴った事も。」
『うん』
「でもアイツが桜の事嫌ったりすることは絶対にねぇよ」
『そうかな……』
「お前が自信持たなくてどうすんだよ」

この先の事を知っているからこそ
私は一虎が今私のことをどう思っているのか
少しだけ検討がついている
認めたくもない、一虎から聞きたくもないけれど
きっと会ったら言われるだろう

『……一虎は、私の事を、敵だと思ってるんだろうなあ』
「……なんでそう思うんだよ?」
『だってそう思わなきゃきっと、辛いから』
「……」
『万次郎君も私も敵だって、そうみなした方が気が楽じゃない?』
「……辛くねぇのかよ」
『辛いよ。でも一番辛いのは一虎だから。
あの子はまだ、中学生だよ
コドモなんだよ』
「……そう、だな」
『あのね、場地君』
「ん?」
『私なんとしても一虎と仲直りしてみせるから』
「おー」
『協力してくれる?』
「勿論」

場地君のお陰で少し勇気が湧いた
負けてたまるか。絶対に一虎の事を救ってやる。
そう意気込んで、寝た

翌日朝、携帯にメールが届いていた
送り主は万次郎君だった。

[今日抗争だから、来んなよ]

抗争……もしかしてぱーちんくんが捕まるあの抗争だろうか
時期的にもそうだろうし
抗争が終わったら万次郎君はまたメールを送ってくる気がするので大人しく待とう。

『……真一郎くんの所にでも遊びに行こうかな』

結局真一郎くんの店に遊びに行った。
昔のお仲間さんも遊びに来てたらしく
強面揃いだな〜と他人事のように思っていたら
急にその内の一人が「そういや隣の嬢ちゃんは彼女か?」なんて言うので何を言ってるんだ……と困惑した。真一郎くんは凄い勢いで否定していた。

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あまね(プロフ) - まってます (8月27日 18時) (レス) @page36 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - すごく面白いです!更新、お待ちしてます! (7月21日 15時) (レス) @page35 id: 6355dc07ef (このIDを非表示/違反報告)
ユキト(プロフ) - 泣きました! (7月14日 2時) (レス) @page35 id: 08a263e11b (このIDを非表示/違反報告)
吹雪 雪(プロフ) - めっちゃ面白い!というか一虎尊い!!落ちは真一郎君がいいです!更新楽しみにしてます!待ってます! (2022年5月10日 21時) (レス) @page35 id: f98270bfe7 (このIDを非表示/違反報告)
ぱいなっぷる - このお話好きすぎる!お話作るのうますぎて尊敬しかないです( ^ω^ ) (2021年12月26日 20時) (レス) @page35 id: ca34c0ec91 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:インク | 作成日時:2021年9月13日 0時

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