酒場のマスターはトリッパー

9杯目 ページ10

「あっ？」

あっ

「・・・よし」

私はダッシュで店内へ逃げ込んだ。

「いや、よし、じゃねぇ‼ 待て‼」

後ろから追いかけてくる中也。

いくら推しとは言え、重力で死ぬのは嫌！

どうせなら僕君の羅生門で斬首がいい‼

絶対その方が楽に死ねる！

(なんか太宰さんみたいなこと言ってるなぁ〜)



あるゲーム機が目に入った。

(格ゲーのゲーム機⁉ 古っ⁈)

このご時世、まだ存在してたとは⁉

私でもネット用のやつしか見たことないのに・・

取り敢えずこのゲームやってる一般人という感じでやり過ごそう。





あっ








両替・・・



「捕まえたぜ」

振り返ると私の左肩に手を置く中也が。

やっぱ今死んでもいいわ。

「な、何ですか？ 私はただのゲーマーですが」

なに言ってんだろ。

「へー、ただのゲーマーがなんで俺の名前を知ってんだ？」

アニメ・漫画・ゲーム・教科書・NHKの特集・文庫本

「ーーーー風の噂で・・」

「風の噂ねぇ・・・」

・・・・・・

「だ、だったらこうしましょう！」

「？」

「そこにある格ゲーで勝負しましょう！
ここはゲーセン。勝敗はゲームで決めましょう‼」

「俺と勝負か、いいぜ。やってやるよ」

よっしゃ、乗った！

「俺が勝ったら全部吐いてもらうぞ」

「いいですよ」

吐いてもどうせ理解されないだろーなー。

「じゃ、早速

「の前に‼」

「んっ？」

「ーーーー両替、していいですか？」

10杯目→←8杯目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す