酒場のマスターはトリッパー

38杯目 ページ40

何かを呟いた後、マスターは眠ってしまったようだ。

小さな寝息の音が聞こえてくる。

(本当に可愛いなぁ・・・)

私はマスターの頭を沿うように撫でた。

この可愛いものをどうやったら私にとっての特別なものにできるのだろうか？

そもそもいつからこんな感情を抱くようになったのか？

『私と心ju

『いいですよ？』

あぁあの時からだ。

彼女は簡単に心中を受け入れてくれた。

つまりそれは簡単に死を受け入れたということだ。

彼女の目に光はあった。

なのにどうしてーーーー

そんなことを考えているうちに、

いつしか私の頭の中は彼女のことで一杯だった。

始まりはどうであれ、とにかく私は彼女を、

今腕の中にいるこの子を自分のものにしたい。



《ドドドドドドドドーーーー！》


(‼⁉ 始まったか・・・)

もう少しこのままでいたいけど、天の啓示では仕方がない。

私はマスターから手を放して、ソファーを下りた。

ーークイッ

(ん？)

「・・むぃ・は、ゃぁ・・・」

寝言、か・・・

しかし寝ながら袖くいなんて、マスターもやるねぇ。

マスターの手をそっと戻して、毛布を掛けてあげた。

さてと、敦君達を助けに行きますかね！

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