酒場のマスターはトリッパー

34杯目 ページ36

「そういえば皆さんは探偵社に入る前は何を？」

シーーーーン・・・

「？」

おーやっときたか、その質問。

「何してたと思う？」

あ、だざ・・・ お兄ちゃん縄解いてる。

さっすがー(棒)

「貴様！ いつの間に・・・！ というかどうやって解いた⁉ きつく縛ったはず・・・！」

「国木田さん、だざ・・・ お兄ちゃんの前職は空き巣だったんだから驚くことないよ」

「なに⁉ そうだったのか太宰！」

「マスターが頑張って呼ぼうとしてくれてお兄ちゃん嬉しいよ〜、てちょっ、マスター。国木田君にデマ流さないでよ」

あながち間違いじゃないと思うよ〜？

「おほん、話を戻そう。
定番なのだよ、新入りは先輩の前職を当てるのさ」

「はぁ、じゃあ・・・」

敦君はしばらく考え込んでから話始めた。

「谷崎さんと妹さんは・・・学生さん？」

「お、当たった。凄い」

「どうしてお分かりに？」

「ナオミさんは制服から見たまんま。
谷崎さんのほうも。歳が近そうだし、勘で」

「やるねぇ、じゃあ国木田君は？」

「俺の前職などどうでもいい！」

「うーん、お役人さん？」

市役所 一の堅物上司って言われそう。

「惜しい、彼はーー

「国木田さんは学校で数学の先生やってたんだよ」

「あ、私のセリフ・・・」

「何故店主が知っている！」

「じょーほーだお」

キャラ崩壊？

もともとこんな奴だよ？

「へえぇ！ そうなんですか！」

「昔の話だ、思い出したくもない・・・！」

敦君納得！ て顔してる。

顔に出やすいね〜←(人のこと言えねぇ人)

「じゃ私は？」

おおー、大取り兄ちゃん。

いったれ敦君！

「太宰さんはーーー」

(ニコッ)

(想像もつかん・・・！)

「無駄だ小僧。武装探偵社の七不思議の一つなのだ、こいつの前職は」

「最初に当てた人に賞金が有るんでしたっけ？」

「そうなんだよね〜。誰も当てられなくて懸賞金が膨れ上がってる」

おい隣見てごらん、当てた人がここにいるよ？

「ちなみに懸賞金は如何ほど？」

「参加するかい？ 賞典は今ーーー」

「七十万だ」

(ガタッ‼)

敦君は目の色を変えて勢いよく立ち上がった。

現在無一文の人間は必死さが違う。

「当てたら貰える？ 本当に？」

「自 殺主義者に二言はないよ」

さぁー行くよー、怒涛の職当てクイズー！

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