酒場のマスターはトリッパー (ページ13)

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12杯目ページ13

「・・・了解した。貴女の願いを叶えよう」

っし、キタ！

「では、商談は成立ということですね」(ニコッ)

商談て程のものでもないけど・・・

「まず一つ。人食い虎なんて呼ばれてますけど、実際に人を食らうことはないのでご安心を」

「うむ」

「二つ。もうすぐ満月ですね」

「？そうだが、虎と何の関係が」

「三日後、虎は自分からやってきますよ」

「なにっ⁉ 真か⁉」

「この店の御代に嘘は厳禁。それは私も同じ。
その対価に嘘偽りはありません」

「そうだな、失礼した」

「いえ」(ニコッ)

社長が取り乱すなんてねぇ。

私のこの役割、最っ高・・・！

「ねぇ社長ー。難しい話は終わった？
僕待ちくたびれたんだけど～」

あ、乱歩さん。完食ですか。

「もう少し待て、まだ話は終わっていない」

「ちぇーー」

すいませんね・・・

「では続きを。三つ。このことは探偵社員の方々にお伝えしないことをおすすめしますよ」

「何故に？」

「変に意識すると見つかるものも見つかりませんから・・・」

「なるほど、了解した・・・」

社長は渋い顔だが了承してくれた。

ほら、そこは原作通りにね？

「私からの情報はこのくらいですかね」

「ありがたい」

「では今度は私からです」

「・・・」

今度は突っ込まんぞ！

「一つ目。何故虎についてのことを私に聞いたのですか？」

とても疑問。

聞かなくたって人食い虎の事件は解決するのに。

「田畑の作物などが荒らされたという報告しか上がっていないが、呼び名が人食い虎だ。一刻も早く解決せねば、時期に人にまで被害が及ぶと考えたからだ」

「なるほど」

そんなこと考えてたのねー。

「では二つ目。次にそちらで入社試験が行われる場合は、ぜひ私に報告してください」

ぴくっ、

「そのことを何故・・・」

あー、これ駄目？

「そんなの決まってるじゃないか、マスターは＂全部＂知ってるんだよ」

社長の隣を見ると、そこには眼鏡をかけている乱歩さんがいた。

「社長お酒で酔ってるの？大体話の最初からおかしかったじゃないか」

え、私容疑者っすか？