-7-火の鳥 ページ8
2つの炎・4
キュゥウウッ！
そこには巨大な炎の鳥がいた。
「う"ぉぉい…なんだありゃぁ……」
「火の鳥…？」
さっきまで小さな少女だったはずの場所に現れたそれに驚く一同。たった一人、ザンザスを除いて…
バサァッ！
「来るぞっ！」
巨大な体からは想像も出来ない程のスピードで襲いかかってくる火の鳥は迷うこと無くスクアーロ達の方へ……
「ーっ、おいボス！避けろ！！！」
かと思いきや、スクアーロ達を越えてザンザスへと向かって行く。
ボァァアアアッ！！
「っ…A…」
ザンザスは憤怒の炎を宿した手で火の鳥…をA抑えていた。
「落ち着け…抑えろ、A」
ザンザスは、目を離すことなく静かに、淡々と諭し続ける。
「お前なら出来るだろ。A」
「……ザン、ザス…」
フッ……
火の鳥が一同翼をはためかせると、炎の羽となって鳥は消え、そこには先程とは姿の変わったAがいた。
「…う"ぉぉぃ…どうなってやがる……」
「あり？なんかAでかくなってね？」
「……上手くいったな」
腰ほどまでにある紅い髪。変わらぬ金色の瞳。小さかった体は10歳前後…年相応の体になっていた。
「ザンザス、これ…」
「お前が持っている力の作用だ……の前に」
バサリ…と上着をAへ着せるザンザス。
「着ろ」
「…あ」
Aは一切の服を身に纏っていなかったのだ。
「……この為の試験だった訳だね、ボス」
「どういうことぉ？マーモン」
ボンゴレ暗殺部隊の入隊試験。しかも実技となればそれなりの技術がなければ下手をすればその時点で死を迎えてしまう。
そしてザンザスは、彼女のうちに眠る力を解放させたかった。だから死ぬ間際まで追い詰められるこの実技を持ってこさせた…そして相手にもどんな奴にも本気で食ってかかるスクアーロとベルフェゴールを当てた……
「鼻からこの子は入隊させる気だったんだろ？ボス」
「つまり俺達は火付け役だったって訳か」
「……そうだ」
ザンザスは立ち上がり、Aを己の身に寄せ言った。
「コイツをこれから新しいヴァリアーの幹部とする」
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作者名：紅雪 | 作成日時：2019年4月7日 3時
