-14-最後の手合わせ ページ16
そしてAも武器を変えに戻る。
「この子もよかったなぁ…最後は……」
「弓矢かぁ」
普通の弓矢と少し形状の違う特殊な弓矢。
「中・遠距離武器が多いからこそのこの武器なんだよね…」
と、Aに向かって火の玉が飛んできた。
「ーっ！！」
直前で気がついたAはすぐに飛び退き回避する。
「奇襲反応も良くなってきたじゃねぇか、アリア」
「……貴方、私を灰にする気？」
そこに立っていたのは、楽しそうに笑みをこぼすXANXUSだった。
「最後は俺が相手をしてやる。A」
「え、なにこれ死刑宣告？」
「殺しはしねぇよ。殺しはな」
ほら早く来い。と言うように手招きをするXANXUSにムッとする。
「すぐ人で遊ぶんだから…」
ぶつくさ文句を呟きながらも手合わせに集中し始めるA。
「いくよっ！」
「来い」
ダッと飛び上がり、XANXUSに向けて矢を放つ。
XANXUSはその手に憤怒の炎を灯し、矢を消し去っていく。
(やっぱり普通の矢じゃザンザスには通用しない……ならっ！)
弓に炎を纏わせ、矢を己の手から生成した。
「炎の矢！！」
「あんなのも出来るわけ……」
そこから放たれた矢は普通とは比べられないスピードでXANXUSに向かって飛んでいく。
そして同時にAもXANXUSへと飛び込む。
「う"ぉおおい！弓片手にどうやって近距離で戦う気だぁ！」
と、Aは弓を真ん中から外し両手に構えた。
「あれは、変型式の弓剣」
キィイインッ！！
そしてXANXUSへ斬り掛かる。
両手剣になり繰り出す剣戟は先程の倍。Aの動きもどんどん身に馴染んでいく。
「上達したじゃねぇか、A」
「貴方の補佐…だからねっ……！！」
横への一薙をふわりと躱すXANXUS。そして打ち出す己の獲物。
「面白ぇ。もっとだ」
武器の試用手合わせだったはずがいつの間にかガチバトルになっている2人を幹部達はただ見守っていた。
……楽しそうに。
「あのボスが本気だぜ」
「それだけ彼女を認めてるって事さ。凄いよAは」
たった数ヶ月。その短い期間で何も無かった少女がここまで力をつけたのだから。
「例え過去の記憶があったとしても、頭で理解するのと身体を動かすのでは全く違うからね。それを微塵も感じさせないあの動き……彼女はもう立派な暗殺者さ」
何せあのボスが、楽しそうに相手をしているんだから。
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作者名：紅雪 | 作成日時：2019年4月7日 3時
