魔王様と初デート 4 ページ19
*
キラキラとしたパレードが目の前を通り過ぎる度、思わずわっと声を上げてしまう
声を上げる度に頭上からくくっと声が聞こえてきて、零に笑われているのだとわかる
むっとして見上げると、零と目が合うものだから、パレードを見ずにずっと私を見ていたのだとわかってかっと顔が火照るのを感じた
『何見てんの、ヘンタイ』
｢自分の彼女を見て何が悪いんじゃ｣
ほれ、Aはパレードを見ぃ、と顔を正面に戻される
この時期はイースターで、可愛らしいうさぎの被り物を被ったキャラが次々と通り過ぎる
それに交じってプリンセスの仮装をしたキャストたちも笑顔を振りまきながらこちらに手を振ってくる
手を振り返してから、自分の様が幼子のようだと思ってしまって、照れ隠しに横にいる零に話しかける
『プリンセス、可愛いね』
｢そうじゃのう、Aの方が可愛いが｣
ぬけぬけとこんなことを言うので脇腹に肘を入れておく
いてっと声が上がるが今のは私は悪くない、と思う
プリンセスたちのパレードが最後だったようで、終わりを告げる花火が上がる
ぼうっと見とれていると、脇腹を抑えていた零の手にふわっと目を隠される
いきなりのことに肩をビクッと震わせると、振ってくる零の声
｢しばし、目を閉じておれ｣
言われたとおりに目を閉じると手が顔から離れていくのを感じる
と、ちゃり、と音を立てて左手首に少しの重みが乗る
｢開けても良いぞ｣
ちら、と手首を目元までかかげれば、零の目とおなじ、赤の石のチャームがポイントになったチャームブレスレット
『これは…？』
｢手錠、じゃよ。首輪はもうあげたからの｣
首輪は、去年の夏に貰ったもののことを言っているのだろう
束縛を意味する手錠、首輪という言葉に零らしさを感じる
『そんなものなくてもどこにも行かないのに』
｢我輩のもの、ということを感じていたいんじゃよ｣
さらりと笑みを称えて言う
普通の男が言えばどん引かれるようなこの言葉も、零は嫌味なくらい似合ってしまうのだ
｢A、我輩だけのプリンセスになっておくれ｣
『じゃあ零は、私だけのプリンス、ね』
零の言葉にのせられて、私までこんなことを言ってしまうのだから重症だと思う
言ってしまってからその恥ずかしさに少し後悔したが、そんな後悔をかき消すようにぎゅっと抱きしめられる
その腕に、一生囚われていたい
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鏡花(プロフ) - 何度も見返しにきています (4月17日 11時) (
レス) @page15 id: 1242228826 (このIDを非表示/違反報告)
名無し31891号(プロフ) - 何この最高な作品…Amazing…☆ (8月30日 23時) (レス) @page20 id: d2e76c8443 (このIDを非表示/違反報告)
えご(プロフ) - また見返しにきちゃいました！やっぱり何度見ても素敵なお話でキュンキュンしました…！ずっと大好きな作品です！ (2020年11月6日 2時) (レス) id: c8fffc6825 (このIDを非表示/違反報告)
。 - めっちゃくっちゃおもしろい！続き待ってます (2020年5月23日 14時) (レス) id: f020a3770c (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆちゃん(プロフ) - ぶらっきーちゃんさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！拙い文章ではありますがこれからも頑張ります…！ (2019年11月28日 19時) (レス) id: 0723d5fa52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆゆちゃん | 作成日時：2019年9月16日 10時
