魔王様と初デート 3 ページ18
*
非常にまずいことになってしまった
『いや、連れがいるので…』
｢いいじゃん、なかなか来ないしさ｣
｢置いて帰られちゃったんじゃない？｣
零がトイレに行ってくる、と言って離れたのが10分前
パレードを見る場所を確保しておこうと、パーク内の車道沿いに腰を下ろしていると、所謂ナンパというものに捕まってしまった
にやにやと私を壁際に追い詰めたこの男2人は、以前私を倉庫に連れ込んだ2人と似ていて、恐怖を感じた
もう逃げ場がなくなって、がしっと腕を掴まれる
｢ほら、行こっか｣
やだ、その一言が喉にこびりついて出てこない
零、助けてよ
｢俺の女に触んじゃね〜よ｣
男2人で埋まっていた視界が急に開ける
見たことも無い表情の零が男たちの肩をがっしり掴んでいる
麗人の般若かのようなその顔に怯んだのか、捨て台詞を吐いて後ずさる
｢こっ、こんなブスに用はねえよ！｣
零は逃がさないとばかりに男たちの首を掴んで壁に押し付け、耳元に顔をよせる
｢二度と俺の女に手ぇ出してみろ。そんときは……わかってるよなぁ？｣
甘さなど滲まない、その低い声にひっと声を上げ、首元を解放された男たちは一目散に逃げていく
急な展開に腰を抜かしてしまい、ぺたっとその場に座り込むと、ふわっと身体が零に包まれる
｢悪い、俺が離れたばっかりに…｣
そう言う零の声はすごく苦しげで、零もあの時のことを思い出しているのだとわかった
今にも震えだしそうな零の身体を抱きしめ返す
『零、とってもかっこよかった。私何もされてないよ、ほら元気』
ちからこぶを作ってみせると苦しげな表情は安堵に歪む
｢…もう今度からデートの時絶対離れね〜｣
『いやトイレとかどうすんの』
｢連れ込む｣
『やめてよね』
顔を見合わせて、笑った
*
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鏡花(プロフ) - 何度も見返しにきています (4月17日 11時) (
レス) @page15 id: 1242228826 (このIDを非表示/違反報告)
名無し31891号(プロフ) - 何この最高な作品…Amazing…☆ (8月30日 23時) (レス) @page20 id: d2e76c8443 (このIDを非表示/違反報告)
えご(プロフ) - また見返しにきちゃいました！やっぱり何度見ても素敵なお話でキュンキュンしました…！ずっと大好きな作品です！ (2020年11月6日 2時) (レス) id: c8fffc6825 (このIDを非表示/違反報告)
。 - めっちゃくっちゃおもしろい！続き待ってます (2020年5月23日 14時) (レス) id: f020a3770c (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆちゃん(プロフ) - ぶらっきーちゃんさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！拙い文章ではありますがこれからも頑張ります…！ (2019年11月28日 19時) (レス) id: 0723d5fa52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆゆちゃん | 作成日時：2019年9月16日 10時
