【文豪ストレイドッグス】綾辻行人殺人探偵の人形

辻村の憂鬱１３ ページ23

辻「Aさんっていつもは何しているんですか？毎日買い物に行くわけじゃないでしょう？」



昼夜逆転してるならそもそも外出しても店は開いてないだろうし、私がいる間ずっと地下室内にいたなら料理も出来ない。
何しているんだろう。


綾「君が来ている間は地下室で人形たちの手入れをしている。
埃は禁物だからな。あとは自分の服を作ったり俺の服の繕いをしているぞ」
辻「自分の服くらい自分で繕ってくださいよ！いくらAさんが料理もできて裁縫も家事もできるからって…………………自分の服？」


喋っていて首を傾げる。
え？自分の服を作ってって、まさかAさんの着てる服は手作りってこと？
Aさんの服は襟と肩が白いシャツで、胸元の切り替えから下は黒の布。ワンピースの裾は綺麗なドレープを描いている。
既製品と言われても疑わない出来だ。


辻「こういう服って作れるんですか？どう見ても売ってるやつみたいですけど」
綾「今Aの着ている服は全てAの手作りだ。
昔は俺が選んだ服を着せていたんだが…………………ある日自分で作った服を着ていた。
それから着てくれなくなった」


綾辻先生が真面目な顔して当時１５歳のAさんの服を選んでるところを想像して吹き出した。
着てくれなくなったって、そもそも綾辻先生のセンスが悪かったんじゃないのかな。


辻「センスがなかったのでは？」


そう言うと物凄い目つきで睨まれた。
地雷だったらしい。
怖いんですけど、綾辻先生。


辻「すみませんでした。訂正します。
Aさんの好みではなかったのではありませんか？」


言った後でふっと考える。
Aさんの様子見てる限り、たとえ自分の好みではなくても綾辻先生が選んだ服を着るのを拒んだりするようには見えないんだけど。
むしろセンスが悪かったとしても何も言わずに着るような気がする。
というか、自分の意思があるかもわからないぐらいなのに。

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