◇ ページ28
渡辺side
主治医としてかけるべき言葉はかけてあげられたはず。
なのに、戻ってきて開いたパソコンはカーソルがチカチカ点滅しているだけで作業が進んでいない。
目「翔太くん」
渡「っ……」
目「隈、酷いですよ」
渡「…亮平、寝た？」
目「翔太くんが出ていってすぐ」
俺が出ていってすぐ、か……
マウスの横にこと、と置かれたマグカップの中には甘い香りが漂うミルク色。
亮平が眠れない時によく作る、牛乳に蜂蜜を溶かしたもの。
カルシウムやビタミンが交感神経の働きを抑えて快眠に有効でどうのこうの、みたいなことを病棟薬剤師の佐久間が言っていた。
目「これ飲んで仮眠してください」
そう言われてもなおデスクから動くことが出来ないのは、ここ一週間の亮平の調子を全然把握出来ていないから。
だから今日だって、亮平が自分を傷つけたなんて聞いて心底驚いた。
渡「目黒、記録見せて…」
目「翔太くんっ、」
ナースステーションまで行こうと立ち上がるだけでふらっとして、咄嗟に目黒に支えられた。
渡「……ねぇ、俺大丈夫？亮平にとって頼れる存在になれてる？今日もまたダメだったじゃん、！亮平、俺の前で涙見せたことないんだよ？なんかさ、もうっ、」
目「翔太くん」
低く透き通った声で名前を呼ばれて初めて、自分が目黒の二の腕に掴みかかっていることに気付く。
肩に乗った目黒の大きな手が、すごく心強い。
目「亮平くんには、翔太くんが必要です。翔太くんは知らないと思いますけど、亮平くん、夜泣きする時いつも小さい声で『翔太、翔太がいい』って言ってます」
渡「っ……でも」
目「きっと忙しい翔太くんに気をつかって素直に甘えられないんですよ。亮平くんなりに遠慮してるんですよ」
夏休み期間ということもあって、一時退院や外泊の手続きでバタバタしているのは事実。
だから特に体調に代わりがない時以外は個室に顔を出してもない。
目「だから、暇な時でいいんで会いに行ってあげてください。それだけで喜ぶので」
それだけで……会いに行くだけで…
渡「…わかった、」
目「っし。じゃあはい、おやすみなさい」
渡「え、ちょ、まだそれ飲んでない」
目「俺がいただきます。ちゃんと寝て、朝亮平くん迎えに行ってあげてください」
渡「え、は、？」
まだ湯気が出たままのそれはいつの間にか目黒の口に消えていた。
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おいぬ(プロフ) - 優真さん» いつも読んでいただきありがとうございます¨̮⃝メッセージに送りましたのでご確認ください！ (11月6日 22時) (
レス) id: e34387800d (このIDを非表示/違反報告)
優真(プロフ) - こんにちは！いつも楽しく拝見しております。パスワード保護のパスワード教えていただきたいです！ (11月6日 22時) (レス) id: 3196b3602d (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - おいぬさん» とんでもないです！ありがとうございます🙇🏻♀️主さんのペースで頑張ってくださいね👍 (8月12日 11時) (レス) id: 76a37fd4ff (このIDを非表示/違反報告)
おいぬ(プロフ) - ののさん» メッセージにお送りしました！読んでいただいてるのに更新が滞っていてすみませんᐢ ; ˙̫ ; ᐢ (8月12日 9時) (レス) id: e34387800d (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - いつもたのしか拝見させていただいてます🙇🏻♀️パスワード保護されている小説を読みたいです😻パスワードを教えてください🙇🏻♀️🙇🏻♀️お手数ですがお願いします (8月12日 7時) (レス) id: 76a37fd4ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おいぬ | 作成日時：2022年8月3日 22時
