四角関係

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「雄登、」



『あ、那須 。今日早くない？』




冷めた瞳のまま私と飛貴を見つめる雄登






それに少しばかりの恐怖を覚え ふ、と視線を逸らす私に反して 何故か楽しそうな笑みを含ませて雄登を見る飛貴





あ、そうそう と飛貴が口を開けば



『昨日Aと2人で那須の家に居たみたいだけど何してたの？』



と掠れた声で雄登に訊ねる





『別に。お前には関係無いだろ』






『関係無くてもさ あんなはだけた格好したA抱き抱えて部屋まで運ぶとか ちょっと気になっちゃうじゃん？』




少し目を見開き驚いた表情を見せる雄登に 昨日見ちゃってさー と呑気に言う飛貴





しんと静まり返る教室内





「飛貴…もういいから」



そう沈黙を破ったのは私で自席に着けばうつ伏せて視界をシャットアウトさせる





『まあ、那須だけじゃないかもよ』





咲紅へのあの対応を見て来て 何が雄登だけじゃないのよ…



そう心の中で答えつつも口には出さず




そのまま飛貴の声は静かに消えていった







飛貴の意図なんか 誰も知るはずなんて無かったのだから

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