【短編集】瓶詰め彼らにこんにちは【m/z;m,n】

ふたりめ【2-2】 ページ7

『せんたんただいまぁ』
1｢おかえり〜、遅かったね｣
『店長と話してたら長くなっちゃった』
1｢あの人、話面白いの？｣
『んーん、報告してただけ』
1｢それ、Aが一方的に話してるじゃん、会話してないよ｣



ご覧の通り、せんたんにまで毒を吐かれる始末。



あれから心を許してくれたのかは分からないけど、話す度に少しずつ口が悪くなっていくから、多分慣れてくれてる。そう信じてる。

せんたんは私のことを呼び捨てで呼ぶ。
私もせんたんって呼ぶからそう呼んでくれているみたいだけど、ペットに下に見られている感じがしてならない。


『せんたーん。ご飯、出来たよ』
1｢やった｣
『ほい』
1｢ありがとうー｣


ご飯が要らないのは、瓶の中にいる間だけだったみたいで、今では普通に一緒に食べている。


『…そうだ、新しい子が来たよ』
1｢どんな人…？｣
『待っててね、今連れてくるよ』


『はい、にどみくんって言うんだって』


そう言って瓶を机に置く。

1｢…にどみ？｣
『うん、え、知り合い？』
1｢…ちょっと、ね…｣
『そっかぁ、それなら、せんたんはすぐに仲良くなれるね〜』
1｢いや、Aもすぐだと思うけど。というか、既に出してもらいたいんじゃないの？｣


『…え、それほんとに言ってる？』
1｢うん｣


ま、今寝てるからわかんないけどね


とか言い残して食事を再開するせんたん。



『う、嘘でしょ…せんたんの時はあんなにかかったのに？？！』
1｢僕はまぁ…ねぇ…｣
『まぁってなに』
1｢ほら、ご飯、食べないの？｣
『あ…食べます…』



なんだ、あの店に関わる人達みんなはぐらかすの上手くない…？？



そのあとも何かと洗濯やら皿洗いやら、バタバタしてしまって、そんなことは頭から抜け落ちていたのは、絶対に私の落ち目なんだ。





絶対に。

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