【短編集】瓶詰め彼らにこんにちは【m/z;m,n】

じゅうににんめ【12-3】 ページ42

せんたん
にどみん
ズズ
とり
いろちゃん
megaちゃん
ななさん
バケりん
九ちゃん
愛ゴリ
ﾁｵﾆｷ


そして私の前に現れた彼らをよく知る
とりなんさん




彼に小さな彼らを渡してから数日。
あれほど賑やかだったこの部屋も静まりかえり、私のただいまという声も虚しく響くばかりである。


『…いただきまーす』


ご飯も、ひとり。
勿論、テレビを見るのも、ゲームをするのも、お風呂に入るのも寝るのも。




『…ひとり、か』




ふと、ココ最近同僚に言われたことを思い返す。


｢なんか、変わった？｣
それに何処が？と返す。
｢何処が…って、具体的なことはわかんないんだけど、でも、変わったなって思った｣
思い当たる節は




『ない…？ん、いや、でも、あるか…？』





わからない。何故私が彼らを買うことになったのか。
わからない。何故私のもとにせんたんと関係のある彼らが引き寄せられるように訪れたのか。
わからない。何故髪を切ったりしてもいないのに私が同僚に変わったのかと聞かれるのか。




わからない、わからない、わからない、わからない、わからない、



変わらない？



そう、声が、


『そうか』




今思えば、これも、店長が教えてくれていたことだったんだろう。




.



.



.

とりなん side

コトリ

郵便ポストに何かが入れられる音がした。
配達か？

中に入っていたのは宛先も何も書かれていないまっさらな封筒。


嫌な、予感がした


『拝啓

とりなんさん

春風が心地よく感じられます。
お元気でしょうか、私は元気です。

貴方が彼らを連れて行ってから数日が経ちました。彼らは元に戻ったのでしょうか。

私はそればかりが気になって夜も眠ることが出来ません。

もし、叶うならば、彼らが元に戻った姿を一目見たかった。


だけど、それをこちらの世界で叶えられそうもないです。





貴方が、私を知らない時間へ




彼らが、私を知らない時間へ




出会う前の私が、この結末を知らない時間へ





戻ることにしました。


もしまた、同じ道を歩んでしまった私が現れたなら。


何も知らない貴方にお願いです。


どうか、彼らを連れ戻さないで



きっと、彼らの持っていた魔法を吸い込んでしまった無知な私は、何度も何度も未来を変えようと時間を巻きもどるでしょうから。




それでは、彼らを、私を

どうかよろしくお願いします。

敬具』




慌てて、彼女の居たマンションに行くと




そこには何も無かった。

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あずきいろ

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