【短編集】瓶詰め彼らにこんにちは【m/z;m,n】

はちにんめ【8-2】 ページ27

バケゆかちゃんは家に帰ってきてもすやすやと寝たまま。


『ただいまぁ…』
1｢おかえり、新しい子連れてきた？｣
『うん』
5｢ほんと？！誰ー？｣
『えっとね、バケゆかちゃん…？女の子みたい。知ってる？』
2｢知ってるも何も、一緒に遊んどったからなぁ｣
4｢ね、Aちゃん｣
『？なに、とり？』
4｢今、バケゆかちゃんって言った？｣
6｢あーー！！！とりっぴぃ！｣
『…何、megaちゃん』


みんなが一斉に部屋の隅に行き(何人かは引っ張られていき)、何かを話している。なんなんだろう。



ことり


と、瓶を机の上に。
飴でベタベタにならないうちに出してあげたいのだけれど。
『バケゆかちゃん…』




そう、呟くと寝ていた彼女の顔がくしゃりと歪み、その目が開かれた。




少し、眠そうだが、怪訝な顔をした彼女はそっと瓶の蓋を指さし、クルクルと指を宙で回した。



『…開けろってこと？』



コクコクと頷く彼女。なるほど、それならば。



『じゃ、遠慮なく』



ぎぅ



少し、開けにくかったがなんとか力を込めて開ける。




そっと、取り出すとそんなにベタついていなかった。ずっと涼しい所にあったからだろうか。



5｢ばーけりん！！｣
8｢…こいろちゃん？｣
7｢バケりん！やっと起きたんやな？！｣
8｢うわ、みんない…ないのか…｣
1｢うん、全員は揃ってないよ｣
8｢そっか｣



『え…』



8｢あんたが俺のこと買ってくれたんだ、ありがとね。俺はバケゆか、好きに呼んで｣



『女の子、じゃ、ないの…？』


8｢ふ、女の子だと思ったの？｣
『だって、顔、めっちゃ可愛いじゃん…』
8｢中性的って言ってよ、おねーさん｣
『お、おねーさんって…A、Aって呼んで』
8｢おっけぃ、Aさんね｣
『う、うん…』




そして私に背を向け、また小さい彼等に向き合う彼女…ではなく彼。



可愛い顔して意外と淡白というか…。
あっさりしてる。



3｢…落ち込んでる？｣
『え、いや、別に…』
3｢落ち込んでんな｣
『…ズズは意外と気付くよね、そういうとこ』
3｢まぁ、少しはな｣
『…嫌われてんのかな、バケゆかくんに』
3｢いや？バケりんは基本あぁだから気にしなくて大丈夫だよ｣
『…そうなの？』
3｢おぅ、だから、気にせんで｣
『…ありがとう、ズズ』
3｢いーえ！！Aちゃんが笑ってねぇとmegaちゃんとあのガキに俺が言われるからな！｣
『ふふ、ズズのそういうとこ好きだよ』
3｢ふは、ありがと！！｣




仲良く出来たら、いいな。

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